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優しい文字「UDフォント」広がる 教育現場、駅にも

1/9(木) 10:08配信

西日本新聞

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 変化は教育現場にも。従来、教科書には、線の太さに強弱があり、とめ・はね・はらいを強調した字体「教科書体」が多く使われてきた。ただ文部科学省の12年の調査では、通常学級に通う小中学生のうち、読字障害などで読み書きが苦手な児童生徒は2・4%。教科書体の特徴が学習の壁になる子もいる。このため、はねやはらいを残しつつ、線の太さが一定で判別しやすいUDの特徴も備えた「UDデジタル教科書体」をフォント会社が16年に開発。小学生向け国語辞典などで使われ始めた。

 また20年度に刷新される教科書の多くもUDフォントを導入。福岡市立小学校では11教科中、算数や英語など7教科で使われている。市発達教育センターの野口信介所長(55)は「読み書きの難しさは個人差が大きく、文字の拡大や行間の調整、音声で補う方がいい子もいる。読みやすい教材作りのひとつのツールとして活用したい」と話す。

 九州大芸術工学研究院の伊原久裕教授(61)は「UDをうたう字体は多様化していて、どれも万能ではない。看板や文章、電子機器など、用途によってどれが適切か正しく見極める必要がある」と指摘している。 (川口史帆)

子どもの学習に効果も

 UDフォントは本当に読みやすいのか。奈良県生駒市教育委員会は昨年2月、通常学級の小学5年生116人を対象に実証実験を行った。

 1分間で「バナナは青い野菜です」などの短文を読ませ、それぞれ正誤を丸付けで回答する36問のテストを、従来の「教科書体」と、UDフォントの「UDデジタル教科書体」で1回ずつ実施。どちらが読み進めやすいか試した。その結果、平均回答数は教科書体が24問、UDデジタル教科書体は29・5問。全問回答できたのは、それぞれ4人と30人で大差がついた。

 市教委はUDフォントを評価し、4月から全小中学校の学習プリントなどで使っている。担当者は「読みが苦手で勉強に苦手意識を持つ子どもの助けになれば」としている。

西日本新聞社

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最終更新:1/9(木) 10:08
西日本新聞

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