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累犯者、会えば普通の人 村木厚子元厚労省事務次官インタビュー 司法×福祉、次の10年へ(6)

1/10(金) 7:12配信

47NEWS

 厚生労働省で官僚トップの事務次官を務めた村木厚子(むらき・あつこ)さん(64)は、郵便不正を巡る文書偽造事件で2009年に逮捕・起訴(後に無罪)され、拘置所で過ごした経験を持つ。障害者の雇用や福祉の担当課長を務めたこともあり、障害者問題への思い入れは強い。罪を犯した障害者を支援しようと、自身の不当逮捕への国家賠償金を寄付し、12年に基金も設立した。累犯障害者・高齢者への支援について話を聞いた。(共同通信=市川亨)

 ▽再犯率低下に成果

 ―司法と福祉の機関が連携する国の制度ができて10年たった。

 「09年度に連携の仕組みが始まる前は、刑務所の中に福祉の対象者がいるという認識自体が非常に薄く、厚労省でも『法務省の管轄だ』という意識が強かった。

 『地域生活定着支援センター』ができたことで、刑務所出所者に居場所を見つけ、その後の暮らしもアフターケアするという流れができた。再犯率は下がり、一定の成果を上げている」

 ―センターは全てがうまく行っているわけではないようだ。

 「47都道府県の各センターを運営する法人の力量には差があるし、法人の性格も違う。しかし、そのこと自体は問題ではない。センターが自分でできないことは、他の機関にお願いすればいい。大事なのは、地域の医療や福祉、就労支援などの事業者とどれだけネットワークをつくれるかだ。

 09年から10年たち、当然、アフターケアの対象者は累積で増えている。センター自体の強化も必要ではあるが、センターが全てを引き受けることはできない。これからは地域全体で取り組む時代へ移っていくのが望ましい。市町村や地域コミュニティーの力が求められる」

 ▽「前科10犯」でも怖くない

 ―そうは言っても、一般の人は「関わりたくない」という感覚ではないか。

 「世の中の意識を変える必要がある。専門職が親身になって支援しても、近所や職場で孤立していたら、当事者の生きづらさは結局、変わらない。再犯を防ぐには、身近な人たちの意識や態度がとても大切だ。

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最終更新:1/11(土) 23:10
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