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「フォードVSフェラーリ」 映画を見ながら心のアクセルを踏み込む

1/10(金) 16:02配信

47NEWS

 エンジンはフォード。シャーシーはデ・トマソ製。デザインはブロックによるもの。しかし、フォード40GTの陰に隠れて忘れ去られてしまう、という蘊蓄をマニアから聞いたことがある。

 そんな昔話もある中、今作ではいかにフォード40GTという車に男どもが躍起になっていたかも分かる。

 何より、ケン・マイルズという夭折した天才ドライバーに光を当てているということに私はぐっときた。

 ビートニク(1950年代の保守的な米国の体制に異を唱える人たち)と呼ばれた英国人のケン・マイルズ。家にはジャズのレコード。紅茶を愛し、ワンダーブレッドでチーズサンドを食べるのが幸せな英国人だ。

 さらには、英国人が地球の果てまでも持って行くであろう食卓のお供「マーマイト」の缶詰もちらっと見える。彼の人物像が魅力的に描かれていたのはクリスチャン・ベールの存在あってのことだろう。

 戦後、フォード社がアメリカで大衆車を売り続けることでモータリゼーションを起こし、アメリカを席巻していた頃。フォード2世はフォードモーターでレースに参戦したいと考えるのだが〝おじさん車〟ばかりで、スポーツカーが一台もない。そこで、スポーツカーの名門フェラーリを買収しようとするのだが、失敗に終わる。

 買収に失敗したフォード2世は、とにかく「会社の金をどれだけ突っ込んでもいいから超スーパーカーを作れ!」と、シェルビーに頼むわけなのだが…… 。

 まさに、映画の上でエンジン7000回転を維持しながら、爽快かつ感情的にかっ飛ばしてくれる作品だ。

 人生は諦めと挑戦の連続かもしれない。

 ふと立ち止まりたくなったら、日常から非日常を体感できる映画館へ。

 映画を見ながら、心のアクセルを思い切り踏みこむ。

 高速回転でエンジンふかし、心にたまったカーボンを吐き出すのだ。

 SUVやミニバン、電気自動車が幅をきかせる今の時代。車好きあるいは60年代好きならば、ぜひ大きなスクリーンで体感してほしいと思う。(女優・洞口依子)

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最終更新:1/10(金) 16:16
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