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世界初。宇宙飛行士が、軌道上で血栓の治療を受ける

1/10(金) 19:30配信

ギズモード・ジャパン

宇宙空間が人体に及ぼす「悪影響」のリストが、さらに長くなりそう。

先日発表された最新の論文が、国際宇宙ステーション(ISS)滞在中の宇宙飛行士に、重症化する可能性のあった血栓ができていたという、宇宙初の事例について詳述しています。

『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載されたその論文によれば、ルーティンの一環として超音波検査が行なわれているNASA宇宙飛行士に「ある異常」が発見されたとき、その人は、6カ月間にわたるISSでのミッションの2カ月目だったとか。その異常とは、左内頸静脈の血流停滞を引き起こしていた「閉塞性血栓」だったのです。

静脈内の血栓は健康上のリスクになるものですが、なかでもこのタイプの血栓は、特に危険です。それが千切れて血流の他の場所に運ばれ、肺や脳、あるいは他の重要な臓器において、生死にかかわる閉塞、あるいは塞栓症を引き起こす可能性があるからです。この閉塞は、敗血症(命を脅かす感染に対する、全身性の反応)を引き起こしかねません。

微小重力環境で、血栓はどのようにふるまうのか

この宇宙飛行士は、何も身体症状を感じていませんでしたが、乗組員たちにとってはまったくの未知の領域であり、地上の医者たちは、軌道上にいるこの患者を治療するよう課せられました。

血栓が、微小重力環境でどのようにふるまうか見当がつかなかっただけでなく、宇宙空間にいることが、血液抗凝固剤の反応にどう影響するかもまったく分からなかったのです。ISSには限られた量の血液抗凝固剤しかなく、注射器で注入する必要がありましたが、注射器もまた、宇宙では貴重な日用品だったのです。それにもし、この薬物治療が、制御できない出血などといった深刻な合併症を引き起こしても、抗凝固作用を無効にできる薬は置いてありませんでした。

幸運にも、そんな災難は起きませんでした。この宇宙飛行士が治療を始めると血栓は縮小し、ひと月後の供給ミッションではISSに血液抗凝固薬と念のための拮抗薬が届けられました。深刻な損傷のリスクを減らすため、同氏は地球に帰還する4日前に服薬を中止。着陸直後に行った検査では、血栓のあった静脈での自発的な血流がみられ、そして血栓自体は地上に戻ってから10日後には消失、6ヶ月後にはその宇宙飛行士は完全に回復したようでした。

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最終更新:1/10(金) 19:30
ギズモード・ジャパン

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