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「とにかくはしりたい…」治療法の見つかっていない指定難病「A-T」と闘う母子

1/10(金) 10:03配信

AbemaTIMES

 「令和の時代になっても国の指定難病は333疾病、国内の患者は少なくとも90万人以上います。私は青森市内の焼肉店であるものを偶然目にしました。そこには自分の子どもがA-Tという難病であること、その難病は治療法がなく、長くは生きられないということが書かれていました。このパンフレットをきっかけに、私は少年を取材することにしました。」(中嶌修平ディレクター)

【映像で見る】はしりたい ~難病A-Tと向き合う母子(おやこ)の絆~

■「人の4倍の速さで、いろんなことを経験させてあげたい」

 小山内龍弥君は、小学校3年生から特別支援学級に通っている。10万人に1人といわれる難病「毛細血管拡張性運動失調症」、通称“A-T”を患っている。遺伝子の異常によって発症する病気で、目は充血し、疲れやすくなる。国の指定難病で、現在、治療法はない。

 病気が進行すると、ふらつきがみられ、字を書くことや、うまく話すことが困難になる。さらに歩くことだけでなく、立っていることすらままならない。

 東京・文京区にある東京医科歯科大学で20年以上にわたってA-Tの研究を続け、龍弥君の主治医でもある高木正稔准教授は、A-T特徴について「非常に免疫が弱い免疫不全症。そして、がんになりやすい。僕らの統計の結果から言うと、平均寿命はだいたい26歳前後」。

 5歳の頃は健常者と変わらず歩き、雪山を元気に駆け上がっていた。しかし年を重ねるごとに症状は進み、この2年前からは車椅子での生活を余儀なくされている。

 「難病支援しています、よろしくお願い致します」。母親の美和子さんは、A-Tの治療法確立へ向け、2年前にNPO法人「ふたつの虹」を立ち上げ、病気の周知活動を続けている。

 「確定診断がついた時には、もう2カ月くらい布団から出られませんでしたね」龍弥君の病気が分かってから、美和子さんの生活は一変した。仕事を辞め、全ての時間を龍弥君に費やしてきた。

 「いいですか?はいチーズ。OK。はい終わり」。龍弥君は感染症などを防ぐため、週に1回、注射を打っている。治療法のない中で、唯一できることだ。

 しかし病状が進むにつれて、龍弥君と将来の夢やこれからやってみたいことを話さなくなっていった。それでも息子が何をしてみたいのか。美和子さんは、ずっと気にかけていた。

 「病気が治ったら何をしてみたい?」。そう尋ねると「はしりたい。とにかくはしりたい」と龍弥君。「病気が治ったらはしりたいというのを話していました」と報告すると、美和子さんは「龍弥ですよね…」と涙を拭った。

 「人の4分の1しか生きられない…。だから人の4倍の速さで、いろんなことを経験させてあげたいなと思っています」。

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最終更新:1/10(金) 13:30
AbemaTIMES

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