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トランプ氏、今も救世主? 米大統領選「揺れる州」ウィスコンシン

1/10(金) 11:39配信

西日本新聞

 米大統領選は11月3日の本選に向けた候補者選びが2月に始まり、いよいよ本格化する。トランプ大統領の再選には2016年と同様、衰退が叫ばれる地方を抱える中西部での勝利が必須だが支持者の心境は-。西日本新聞あなたの特命取材班に届いた質問に答えようと前回、トランプ氏が番狂わせを演じたウィスコンシン州を訪ねると「救世主」と今も信じる人々がいる一方、失望し離反に傾く人も。「大統領の命運はここで決まる」。激戦の地は覚悟と高揚感で満ちていた。

【写真】中西部の郊外の道路沿いには、トランプ大統領の支持者が2020年11月の選挙日を周知する掲示を始めていた=19年12月16日

 最大都市ミルウォーキー郊外にあるウォーキショー郡。氷点下まで冷え込んだ年末の夜、レストランでパーティーが開かれていた。トランプ氏率いる共和党の地元支部の懇親会だった。

 集まった50人余りの多くは選挙活動の電話などをするボランティア。「住民は『株価は史上最高。仕事も増えた』と大喜びだ」とトランプ氏の功績を口々にたたえ、盛り上がった。

 「でも16年の選挙当時、勝てるとは誰も思わなかった」。支部長のテリー・ディトリッチさん(57)は苦笑交じりに述懐する。

 国政、地方を問わず選挙の勝敗が民主党との間で入れ替わる「揺れる州」。ただ、大統領選は12年まで7回連続で共和候補が敗れていた。しかもトランプ氏は“不動産王”として著名とはいえ、政治の素人だった。

 ところが投票日が近づくに連れ集会への参加者が増えた。ラストベルト(さびた工業地帯)に重なる郊外や酪農の盛んな農村が海外勢との競争で打撃を受ける中「米国を再び偉大に」と叫ぶトランプ氏の声は、苦境にあえぐ地方に響いた。

 当選後、トランプ氏は規制緩和や減税といった景気浮揚策を実行に移し、失業率は改善。中国などとの貿易協議も進めた。「次も勝てる」とディトリッチさん。ただ、こうも続けた。「共和党が強いこの郡で票が伸び悩めば厳しくなる」

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 前回、民主候補は優勢と過信したのか、本選前に一度も州を訪れず票を伸ばせなかった。わずか1ポイント弱の差で負けた民主は、候補者を指名する7月の党大会の州内開催を決めるなど、失地回復に躍起だ。

 共和陣営には離反への懸念がある。「株高はうれしいが次も投票するかは分からない。発言が愚かすぎて大嫌い」。無党派層の自営業女性(54)のように、トランプ氏の傍若無人な言動への批判は尽きない。

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最終更新:1/10(金) 11:39
西日本新聞

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