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代議士が刑務所に入って気づいたこと 排除ではなく手を 山本譲司元議員に聞く 司法×福祉、次の10年へ(7)

1/11(土) 10:42配信

47NEWS

 作家の山本譲司元衆院議員(57)は、衆院議員時代に秘書給与詐取事件を起こし2001年から1年2カ月、黒羽刑務所(栃木県)で服役した。この時の経験をノンフィクションに著し、福祉施設化する刑務所の実態と「累犯障害者」の存在を明るみに出した。いわばパンドラの箱を開けた人物で、司法と福祉の連携が動き出すきっかけとなった。山本氏はこの10年をどのように振り返り、次の10年に何を見据えているのかを聞いた(共同通信=真下周)。

 ▽まだまだと痛感

 ―現在も刑務所と関わり続けている。

 「18年前の今ごろは囚人服だった。その1年前は赤絨毯の上を歩いていた。黒羽刑務所で私に与えられた懲役刑は、高齢・障害受刑者の世話だった。議員時代はえらそうなことを言っていたが、福祉のことを何も分かっていなかった。服役後は障害者福祉施設で働き、今も週に1、2回は各地の刑務所に行き、受刑者の社会復帰を支援している」

 ―今の刑務所でどんな光景が見えているか。

 「先日、再犯者向けのある刑務所を訪問すると、黒羽で一緒だった受刑者を何人か見かけた。ある知的障害の男性は10年ちょっとの間に5回も出所と入所を繰り返していた。彼は、当時は周りの受刑者におびえていたが、今では懲役生活も板につき、肩をいからせ歩いていた。外見ですぐに障害があると分かるのに、すくい切れていないと思うと、本当に切ない気持ちになった。

 私も06年に厚生労働省と法務省に働き掛けて、地域生活支援に乗り出すきっかけとなる研究班をつくったり、ホームレス支援の関係者らと更生保護や就労支援の団体を設立したりして頑張った気になっていたが、まだまだだと痛感した」

 ▽隔世の感

 ―司法と福祉の連携はどの程度進んできたか。

 「全国の刑務所に社会福祉士が配置されるなど、国の対応も少しずつ改善されている。今は年約2万人の出所者のうち600人が福祉事業所につながる。私が獄中体験を描いた『獄窓記』(03年)を出した頃は出所者が2万8千人ぐらいいたが、福祉につながるのはわずか10―15人だった。隔世の感がある。

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最終更新:1/11(土) 10:42
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