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帯状疱疹で脳梗塞とアルツハイマーの発症リスクが高くなる【医師が解説】

1/11(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 免疫力が下がっている時に起こりやすいのが、刺すような痛みや発疹が症状の帯状疱疹。年末年始の疲れを引きずっていたり、風邪をひきやすい今の季節、要注意だ。

 この帯状疱疹が近年、さまざまな神経疾患に関連していることが分かってきている――。こう指摘するのが、東京女子医科大学脳神経外科客員教授で医師の清水俊彦氏。

 帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルス「水痘帯状疱疹ウイルス」が原因で発症する。子供の頃に水ぼうそうを経験した人は多いだろうが、その時は水ぼうそうが治ってもウイルスは脳や脊髄の感覚神経節に潜んだまま。そして免疫力が低下した時に増殖し、帯状疱疹を引き起こす。

「帯状疱疹ウイルスが脳の血管内で増殖して炎症を起こすと、脳血管を損傷して脳血管障害のリスクを高めます」(清水俊彦氏)

 2009年と10年に発表された台湾の疫学研究では、頭部に帯状疱疹発症1年以内の脳梗塞の発症リスクは1・3倍。眼神経の帯状疱疹では4~5倍だった。

 清水氏の知人も、帯状疱疹後2週間で脳の椎骨動脈解離を起こした。50代のその女性は右後頭部にズキンとした痛みを感じ脳神経外科を受診。右の後頭神経領域に帯状疱疹が見つかった。MRIでは異常がなく、抗ウイルス薬で治った。2週間後、同じ場所に同じ痛みがあった。病院では帯状疱疹の再発と診断。抗ウイルス薬を処方されたが、治らなかった。

「彼女から私のところに連絡があり、すぐ来院してもらいMRIを撮りました。すると右の椎骨動脈解離を起こしていたのです。即座に東京女子医大で治療を開始、命に関わることなく現在に至っています」(清水俊彦氏)

 この女性は帯状疱疹ウイルスの抗体価も高く、これはつまり帯状疱疹ウイルスが増殖していることを示す。

「帯状疱疹と関連しているのは脳血管障害だけではありません。アルツハイマー型認知症や、厚労省の難病指定である多発性硬化症のリスクを高めることも分かっています」(清水俊彦氏)

 対策としては、帯状疱疹ウイルスワクチンが有効だ。これが、帯状疱疹ウイルスの増殖を抑制する。厚労省は、帯状疱疹を起こしやすい50歳以上に「予防できる」と承認しているが、50歳以下もOK。帯状疱疹を発症したばかりの人は、数カ月後、抗体価が下がってきてから接種するのが良い。過去に帯状疱疹を起こしたことがある人も二度とかからないわけではないので、ワクチン接種の検討を。

 アルツハイマー型認知症は治療薬がない。ワクチンで予防ができるなら、その意味は大きい。

最終更新:1/11(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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