ここから本文です

2019年の飲食店倒産件数、過去最多の可能性 デリバリーの普及などが影響?

1/11(土) 15:01配信

THE PAGE

 このところ飲食店の倒産が増えています。倒産増加の背景には様々な事情が複雑に関係しているようですが、なぜ飲食店の倒産が増えているのでしょうか。

過去最多となった2017年を上回る勢い

 帝国データバンクの調査によると、2019年1~11月の飲食店事業者の倒産件数は668件で、過去最多となった2017年を上回る勢いになっています。業態別では「酒場・ビヤホール」「西洋料理店」の倒産が目立ち、酒場・ビヤホールは11年連続で件数が最多、西洋料理店は3年連続で件数が急増しているという状況です。

 政府はリーマンショック以降、法規制を設けて銀行に融資継続を事実上強制し、人為的に倒産をさせない政策を続けてきました。このため、日本は空前の無倒産社会などといわれてきましたが、2019年3月にこの制度は完全に終了。全体の倒産件数も徐々に増えつつある状況となっていますが、真っ先に影響を受けたのが飲食店ということになります。

 このところ飲食店には極めて大きな逆風が吹いています。ウーバーイーツなどデリバリーの普及で飲食店に出向く人が減っていることに加え、「忘年会スルー」というキーワードが象徴しているように、会社の飲み会そのものも減少しています。

実質賃金マイナスで購買力が低下

 しかしながら何と言っても大きいのは消費者の購買力の低下でしょう。これまで日本の労働者の実質賃金はマイナスという状況が続いてきました。給料は若干増えていますが、それ以上に物価が上昇するので、実際に使えるお金は年々減っています。しかも2019年に入ってからは、残業規制が強化されたり、役職定年、早期退職を導入する企業が増えたこともあり、実質賃金だけでなく、名目賃金までもがマイナスになる月が目立っています。実際に懐に入るお金が減るわけですから、当然、外食の頻度は下がることになります。若年層に至っては賃金が低いままですから、ラーメン1杯を食べるのも贅沢という人が少なくありません。実際、ラーメン店を見ると圧倒的に中高年男性の比率が高いですから、もはや高級品という位置付けです。

 このほか、中小零細飲食店の場合、人件費の高騰でアルバイトが雇えない、軽減税率に対応するためのパソコン導入ができない、後継者がいないといった理由で消費増税をきっかけに廃業を決めた飲食店も少なくありません。米国ではすでにネットによるデリバリーの普及で、好景気であるにもかかわらず急ピッチで飲食店の数が減っています。2020年は日本でも多くの飲食店が姿を消すことになるかもしれません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1/11(土) 15:01
THE PAGE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事