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「PLの選手はこうあるべき」という哲学を示したPL学園最後の試合

1/11(土) 12:10配信

高校野球ドットコム

 1970年代から2000年代までの約40年間、高校球界を牽引したのがPL学園である。甲子園大会制覇は春夏通算7回を数え、桑田 真澄清原和博のKKコンビは高校野球ファンの枠を超え広く親しまれ、その2年後の春夏連覇、さらに松坂 大輔擁する横浜高校と演じた1998年春夏の激闘など、その間の輝かしい歩みは他の追随を許さない。

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 その「明」の反面、部内の暴力事件は後を絶たなかったこともあり、野球部寮の閉鎖、付き人制度の廃止など学園側が野球部の活動に制限を加えるようになり、2015、16年には新入部員の募集を行わなかった。つまり今年の夏の敗戦は即、野球部の休部・廃部に直結する。そして大阪大会1回戦の対戦相手は強豪、東大阪大柏原に決まり、多くの高校野球ファンはひょっとしたらこの試合がPL学園の見納めになるかもしれないと考え、観客収容の少ない東花園球場に殺到したというのがこの原稿の長い前置きである。

 試合に先立って行われるシートノックを見て涙が出そうになった。外野に就く選手がおらず、内野の選手だけがノックを受けていたのである。試合前日の14日には練習中のアクシデントで河野友哉が大腿部の骨折、正垣静玖が亜脱臼で戦線を離脱することになり、ただでさえ11人という限られた戦力が9人で戦わなければならない。そういう厳しい状況が浮き彫りになった光景だった。

 元監督の河野有道さんに聞くと、部員11人は有名中学生とは無縁の生徒らしい。対する東大阪大柏原は履正社、大阪桐蔭に次ぐ伏兵的存在で、勝負は戦う前からわかっていたとは、私がこの試合を観戦する前の浅はかな思いである。

 しかし、内野手だけのシートノックを見て少しだけ「ひょっとしたら」と思った。有名中学球児はいなくても指導者(ノッカー)や選手の気持ちの中に「PLの選手はこうあるべき」という哲学がきちんと育ち、それがプレーに反映されていたのである。東大阪大柏原を敵役にして申し訳ないが、有名中学球児で占められた東大阪大柏原とくらべて動きに遜色がなくこれは凄いと思った。

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最終更新:1/11(土) 12:27
高校野球ドットコム

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