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「不具合」一転「撃墜」 イラン、わずか3日で修正 ウクライナ機墜落

1/12(日) 7:06配信

時事通信

 【ベイルート時事】イランで8日起きたウクライナ旅客機の墜落は、イランがこれまで主張してきた「事故説」を11日に突如修正し、「人的ミスによる誤射」の撃墜だったと認める結果となった。

 回収したフライトレコーダーの分析に時間がかかると主張していたが、わずか3日で前言を撤回、早期の幕引きを図る構えだ。しかし、国際社会でイランへの不信が一段と深まるのは必至。対立する米国との関係やイラン核合意の行方にも影響を及ぼしかねない。

 イランは当初、「技術的不具合で火災が起き、通信・制御システムが作動しなくなったため墜落した」と主張。ミサイルによる撃墜の可能性について「筋の通らないうわさだ。機体は飛行中に爆発していない」(民間航空当局高官)と一蹴してきた。政府報道官も10日、米国などが「撃墜説」を唱える中、「米国による心理戦は、遺族の傷口に侮辱を塗っている」と非難していた。

 イラン側は一方で、機体を製造した米ボーイング社や関係国の調査団受け入れを表明していた。「事故が起きた国に調査の責任がある」としつつも、原因究明への協力姿勢をアピールすることで、批判の矛先をかわす思惑もあったとみられる。

 それだけに、イランが撃墜を認めたのは苦渋の決断だった。米国やカナダなどが「撃墜を示す証拠がある」と追及を強め、不都合な事実をこれ以上否定し続けるのは困難と判断した可能性が高い。ファルス通信によれば、最高指導者ハメネイ師が誤射による撃墜という調査結果を公にするよう命じたとされ、問題の長期化を避けたい狙いが透けて見える。

 ただ、「撃墜の意図はなかった」とするイラン側の主張に対し、対イラン軍事衝突の瀬戸際に立った米国をはじめ、撃墜で多数の犠牲者を出したカナダや欧州諸国などが納得するかどうかは不透明。撃墜を認めて謝罪したイランを国際社会がさらに追い詰めれば、かえってイランの反発を招き、再び情勢が緊迫化する可能性も排除できない。 

最終更新:1/13(月) 14:06
時事通信

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