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ダルビッシュ有が否定する日本の根性論。「根性論のないアメリカで、なぜ優秀な人材が生まれるのか」

1/12(日) 11:00配信

REAL SPORTS

「日本人はいろいろな可能性を閉ざしてしまっている」

――ダルビッシュ選手が発信していた記事には、日本の小中学生のトップの選手の75%が肩や肘に故障が出ているというものもありました。その年齢層の選手に対しても、日本における根性論がはびこってしまっているイメージがあります。

ダルビッシュ:そうですね。球数制限の議論の中で一番多いと思うのが、「高校野球の選手は3年間しかない」「プロを目指している選手ばかりではない」と。だから、「そういう選手たちの思い出のためにも球数制限を設けるべきではない。それに、厳しい状況に置いたほうがその選手の将来に生きてくる」。こう言う人がすごく多いんですよ。

 でも、日本経済界に優秀な人材がどれくらいいるかを見ると、他の国に比べて少なくないですか? 例えばアメリカ。いわゆる先を行っているこの国には優秀な人材がたくさんいます。アメリカには根性論のような考え方がないのに、なぜそんなに優秀な人材が生まれるのか。それってきっと、人生でたくさん訪れる苦しい場面を乗り越えていくための打開策を、自分自身で考えているからだと思うんですよね。

 一方で日本では、いろいろな経験をしたのに、自分の成績や収入、能力に結びついていない人が多い。それは教育にとって良い状態ではないと思うんです。だから、根性論については一度考え直さないと。もちろん、それしかやってきていないから、根性論を否定することによって自分の人生を否定することになってしまう人が多いとも思います。ただ、だからと言って、自分のやり方や考え方を正当化するのはやめてほしいと思う。

――容易にさまざまな情報を入手することができる時代。全世界の事例をもとに、何が正しいのかを考えるところから始めるべきですよね。

ダルビッシュ:日本人ってそれができないんですよね。タトゥーもそうだし、マリファナもそう。マリファナはちょっと難しい問題があるだろうけれど、ただ何と言うか、「日本は日本」「日本人は日本人」と定めすぎてしまい、いろいろな可能性を閉ざしてしまっていると思いますね。

――そうですね。ダルビッシュ選手のように、自分自身で判断できる中高生はほとんどいないじゃないですか。やっぱり指導者が絶対だと思ってしまっているし、それが正しいとされてしまっています。

ダルビッシュ:自分の高校時代もそうでしたよ。監督は神様であり、監督の言っていることはすべて正しいし、部員はみんな、監督には絶対服従のスタンスで臨んでいたので。

 でも、それは自然のことなのかなとも思いますけどね。小さな頃からみんなそうやって生きてきているし、それ以外の考え方や発想がないわけですよ。だから、せっかく自分を成長させられる可能性があるのに、すごく小さな世界に自分を閉じ込めてしまっている。それではなかなか成長できないと思います。

――でも、ダルビッシュ選手は別に監督と揉めたりしないじゃないですか? メジャーの監督とのコミュニケーションはどのように取っているんですか? 何か疑問が生じたら直接聞きに行くようにしているんですか?

ダルビッシュ:いや、何も聞かないですね。監督とは特に喋ることもないですし。何かあれば向こうから話し掛けてきて、「体は大丈夫か?」「大丈夫だよ」ぐらいですね。監督とはむしろそういう関係。一方、ピッチャーの場合はピッチングコーチとのやり取りがありますからね。ブルペンとかですごくいろいろなことを言ってくるんですよ。そういう時は、ピッチングコーチに「もう俺に何か言うのはやめてくれ」「問題点は自分で直すから」って言ってます。

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最終更新:1/17(金) 17:25
REAL SPORTS

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