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トランプ大統領がイランを攻撃していたら失われていた恐れがある文化財

1/13(月) 13:14配信

The Guardian

【記者:Steve Rose】
「イランと戦争になった場合は同国の文化遺産を狙った攻撃を命令する権利がある」。ドナルド・トランプ米大統領のこの脅しが実行されていたら、同氏はアフガニスタンの旧支配勢力タリバンやイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」(どちらも21世紀に似たような破壊をもたらした)に並ぶ「建築学的な悪の枢軸」になっていただろう。

 イランには5000年もの歴史を持つ文明と、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に登録された世界遺産が国内に20か所以上ある。文化遺産は豊かで個性的で、特に宗教的建造物が際立っている。これらは、単にイランの文化遺産というだけでなく、人類の文化遺産でもある。

■ペルセポリス
 イラン考古学の至宝。紀元前6世紀にまでさかのぼる歴史的価値のある複合遺跡。一段高くなった広々とした基壇、壮大な階段、そして大理石の宮殿と寺院など、非常に印象的な構造になっている。ペルセポリスは、アレクサンダー大王をはじめ、外部からやって来た多くの人々に破壊されたが、それでも、驚くほど保存状態の良い彫像や、雄牛やライオン、伝説上の動物、そして多文化だったアケメネス朝の人々などを表現した浅浮き彫りなど、トランプ大統領の攻撃対象になってもおかしくないほどの建造物が数多く残っている。

■シャー・チェラーグ廟:シラーズ
 シャー・チェラーグは「光の王」という意味で、その名にふさわしい廟(びょう)だ。外観は比較的平凡だが、内装は鏡を使ったモザイク状のタイルが複雑な幾何学模様に張り巡らされており、異世界のような光の景観を作り出している。厳粛な巡礼の場ではあるが、内装の雰囲気はイスラム教の巨大ミラーボールの中にいるようだと例えられている。

■バーンク教会:イスファハン
 イランにおけるキリスト教の歴史は古く、特に北西部で国境を接したアルメニアに関係したものが多い。この地域にある最古の教会のうち三つは、ユネスコの世界遺産に登録されている。イスファハン付近にあるバーンク教会は、17世紀にオスマン帝国の戦争から逃れてきたアルメニア人により建立された。きらびやかな内装は、パッチワークのように施されたフレスコ画と金色の細工が特徴的だ。

■イスファハンの橋:イスファハン
 かつてイランの首都だったイスファハンにある、屋根付きの長い橋(ほとんどが17世紀に造られた)の洗練された美しさに欧米人たちは驚嘆した。橋は工学技術の粋で、機能性も追求されている。例えば、全長130メートルの堂々としたハージュ橋は、ザーヤンデルード川を渡る手段であったと同時に、川の水量を制御するためのダムであり水門でもあった。中央通路にはカフェもあり、日陰のある公共の待ち合わせ場所になっていた。

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最終更新:1/13(月) 13:14
The Guardian

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