ここから本文です

発見難しい鼻のがん 初期は片側の鼻づまり…蓄のう症など炎症続くなら早期受診を

1/13(月) 7:10配信

読売新聞(ヨミドクター)

 鼻の穴の奥には複雑な形をした空洞が広がり、吸い込んだ空気を温めて湿り気を与えたり、小さなごみを粘膜でとらえて排除したりしている。この部分にがんができることがある。患者は少ないものの、発見が難しく、注意が必要だ。(藤沢一紀)

鼻づまり、出血注意

 鼻の内部には、吸った空気が通る「鼻腔(びくう)」がある。その周りには、鼻腔とつながる「副鼻腔」という四つの空洞が左右一対ずつ備わっている。

 これらの場所にできるのが、鼻のがんだ。頭から首までの部分にできる頭頸(けい)部がんの新規患者数は年間約5万人で、このうち5~7%が鼻腔がんや副鼻腔がんとされる。患者が最も多いのは、左右の頬の骨の内側にあり、副鼻腔の四つの空洞の中で最大の「上顎洞(じょうがくどう)」にできるがんだ。

 鼻のがんで、推定される発症原因の一つは喫煙だ。たばこの煙で、鼻の粘膜が慢性的に刺激され、炎症が起きやすくなる。また、クロムやニッケルなどを扱う金属加工業や、工場内に粉じんが舞う木材加工業や製粉業は、他の職種に比べて従業員の発症リスクが高いとする報告もある。副鼻腔にうみがたまる「蓄のう症(慢性副鼻腔炎)」も要因の一つといわれている。

目に進めば眼球が突出 口に広がれば歯ぐきが腫れ

 がんができて最初のうちは、片側だけの慢性的な鼻づまりや鼻血が起こることが多い。これらの症状は、風邪や花粉症、蓄のう症でも見られ、がんであるとは気づきにくい。

 がんの広がる方向によって様々な症状が表れる。目の方へ進めば、眼球が前に突出したり、物が二重に見えたりする。口に向かって広がれば、歯ぐきが腫れるほか、歯が痛くなることもある。

 検査は、鼻の穴にファイバースコープを挿入し、がんの広がりを確認する。エックス線撮影装置やコンピューター断層撮影装置(CT)、磁気共鳴画像装置(MRI)などを使った検査も行う。

 がんが目の方向に進んでいれば、眼球の摘出が必要になることもある。このようなことを避けるため、放射線治療などを行う。頭頸部腫瘍に詳しい兵庫医科大講師の宇和伸浩さんによると、まずは放射線や抗がん剤による治療を組み合わせて、がんをなくすことを目指す。治療後にがんが残っていたり、再発したりする場合は、手術をする。

1/2ページ

最終更新:1/13(月) 7:10
読売新聞(ヨミドクター)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事