ここから本文です

ドリブル&ショートパス!静岡学園スタイルで全国制覇、FW加納「日本のサッカーに影響を与えられた」

1/13(月) 19:53配信

静岡朝日テレビ

<第98回全国高校サッカー選手権決勝>◇静岡学園3-2青森山田◇13日◇埼玉スタジアム

静岡学園が、「個」にこわだるスタイルを貫いて24年ぶりの栄冠を手にした。2点を取られても、各選手のスキルを生かしたドリブル、ショートパスを繰り返し、3点を取り返した。左サイドからドリブルで切れ込んだMF草柳祐介(3年)から、パスを受けて左足で同点ゴールを決めたFW加納大(2年)は、胸を張って言った。「静岡学園のスタイルを見せつけることができて、日本のサッカーに影響を与えられたと思います」。
昨年までは、4年連続で静岡県代表校が初戦敗退した。そして、「サッカー王国静岡は昔のこと」の声も多くなった。理由は、優秀な選手が清水エスパルス、ジュビロ磐田のユースチームに流れ、他のエリート選手が、複数ある強豪校に分散する傾向にあるとも指摘されてきた。だが、静岡学園の川口修監督は、優勝会見で違う見解を示した。
「そうですね。昔の静岡は、個性的な選手が多かったですね。私も静岡に育って、静岡学園ではコーチ12年、監督10年を務めていますが、静岡では『勝つサッカー』が主流になってきました。結果、個性が少なくなった。それが理由だと思っています」
静岡学園は、前監督の井田勝通氏が率いた1972年から、「個」にこだわってきた。選手が将来、サッカー選手として大成することが究極の目標。川口監督も大会中に「日本一は目指しているようで、目指していない。選手が高校で力をつけて、静岡学園を出た後に活躍する方が大事。大きな目標は、うちを出た選手が(欧州)チャンピオンズリーグの舞台に立っていることです」と話していた。その思いのまま、この日を迎えていた。
それでも、目の前に来たチャンスはつかみ取りたかった。前半を1-2で終えると、選手たちには厳しく修正点を指摘した。「中盤3人の距離が空きすぎている。そこを詰めて、相手からボールを奪い取れ」。前半終了間際に1点を返し、目に力を取り戻した選手たちは、その言葉を受けてさらに燃えたという。「本当の意味で戦闘モードに入ったことが、後半を無失点で終えられた理由です。5万人以上(5万6025人)の観客が入って、相手は絶対王者の青森山田さん。我々とすれば夢の世界と一緒ですから、やはり、勝負にこだわりました」。
部員は約260人。全国から「静学スタイル」に憧れた選手が集まり、スタメンの11人中9人が県外出身選手だ。だが、それも静岡学園の伝統。同校出身の指揮官も「僕の時代も北海道、九州から来ていましたからね」と話す。県外選手も寮生活を続ける中で静岡に愛着を持っている。決勝ゴールを含む2得点で勝利に貢献した中谷颯辰(3年)は大阪出身だが、「静岡でお世話になっている方々に恩返しができて良かったです。24年ぶりの優勝ということですが、静岡県代表がこれから毎年、上位に入ってほしいです」と言葉をかみしめた。そして、静岡市出身の加納も「地元民としての誇りを見せられて良かったです。うれしいです」。今大会は負傷で準決勝まではスタメンをFW岩本悠輝(3年)に譲っていたが、川口監督に「加納の目がギラついていたので」と言わしめて、90分間ピッチに立つことができた。新チームでも主力になることが有力で、「今年は1得点でしたが、来年は得点王を取りたいです」と言い、さらに目を輝かせた。
J1鹿島アントラーズに入団内定のMF松村優太(3年)は「優勝が目標だったのでホッとしています」と言いながら、鹿島での1年目に向けて「開幕スタメンを目指します。もっとドリブルからフィニッシュへの精度を上げれば通用すると思いますし、チームにタイトルをもたらしたいです」と言った。いずれも、自分の力を信じているからこそ。静岡サッカー史を彩った選手たちの将来が楽しみになってきた。【柳田通斉】

最終更新:1/13(月) 22:33
静岡朝日テレビ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事