ここから本文です

フェリー「八苫航路」貨物量増加/運航7時間半、トラック運転手ら「休息取れる」/働き方改革追い風

1/14(火) 8:29配信

Web東奥

 青森県八戸市と北海道苫小牧市を結ぶフェリー「八苫航路」の貨物取扱量が、近年伸びている。2011年から増加し続け、18年は1315万トンで10年前の08年に比べ28%増えた。乗船時間は八苫が7時間半で、青森市と函館市を結ぶ「青函航路」(3時間40分~4時間)より長い。このため、トラック運転手がまとまった休憩時間を確保でき、働き方改革にもつながることが好調の背景にあるとみられる。

 県のまとめによると、フェリーの便数が1日16往復の青函の18年の貨物量は2164万トン。東日本大震災で八苫が休止した影響で11年は一時的に増加したが、その後は減少を続け、08年比で9%減となっている。北海道と青森県を結ぶフェリーでの貨物物流が、1日4往復の八苫にシフトしているとみられる。

 12年に群馬県の関越自動車道で乗客7人が死亡した高速ツアーバス事故を受けて、国は長距離運転手の労務管理に関して悪質事業者の厳罰化を進めている。トラック運転手の労働に関しては「休息時間(勤務と勤務の間の自由な時間)は連続8時間以上」が法令上義務付けられている。業界の要望もあり、特例でフェリー乗船時間を原則休息として扱えるようにした。

 八苫を利用している札幌市の運送会社に勤める男性運転手は「労務管理が厳しくなっており、急いでいても休憩は必要。フェリーで移動しながら休憩できるのは便利だ」と話す。八苫は待機時間を含めれば約8時間の休息時間を確保できるという。

 八苫を結ぶ「シルバーフェリー」4隻を運航する川崎近海汽船(東京)は21年に就航中の「べにりあ」を、積載力を向上させた新造船に切り替える予定で、貨物輸送はさらに強化される。同社八戸支社の担当者は「八戸港は高速道路にも近く、運送業者にとって使いやすい。今後も貨物は増える見込み」と話す。

 さらに八戸市は、フェリーと復興道路「三陸沿岸道路」(八戸市-仙台市)の相乗効果にも期待する。現在工事が進められている同道路は、岩手県久慈市、釜石市、宮城県気仙沼市などを通る。20年度末に全線開通予定で、フェリーを組み合わせた札幌・仙台間の新たな物流ルートが確立する。

 市が試算した札幌市-仙台市間のトラック輸送シミュレーションによると、八苫-三陸沿岸道路ルートは青函-東北自動車道ルートより運転時間が約2時間短くなる。移動にかかる総時間は、青函のほうが津軽海峡フェリーを利用すると約1時間半短い。一方、高速代、燃料費などを含めたコストは八苫のほうが約1万6千円安い。

 川崎近海汽船は20年4月から八戸-室蘭を1日1往復運航する方針で、八戸港の拠点性はより高まる。市政策推進課の藤谷一徳副参事は「働き方改革の流れもあり休息時間を取れる上、三陸沿岸道路が完成すればコスト面でも八戸港の優位性は高まる」と期待している。

最終更新:1/14(火) 8:29
Web東奥

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事