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【校長会の宣言】教育現場に活気生もう(1月14日)

1/14(火) 9:29配信

福島民報

 長時間勤務など教員の多忙解消が要請される中、県小学校長会と県中学校長会は「『教員の働き方改革』宣言(2020)」を昨年十二月に連名で公表した。文部科学省や県教委などは制度面の改善を進めており、教育現場の責任者が主体的に取り組む姿勢を打ち出した点は評価できる。教員の勤務時間削減などを通じて、子どもの健全育成という教育本来の目的を達成するよう望む。

 宣言は「長時間勤務が常態化し、土日曜日も部活動の指導や事務処理に取り組まなければならない状況にある」との現状認識を示し、心身ともに疲弊する教員を生んでいると危機感を表した。その上で「児童生徒の一斉下校日を増やす。週一回教職員の一斉退勤日を設定する」「部活動休養日を平日週一日、土日曜日いずれか週一日設定する」「行事の削減、簡素化に努める」とした。学校の実情を踏まえ、可能な部分から実施するよう各校長に求めた。

 心配がいくつか浮かぶ。一斉退勤日設定は、教員の仕事の持ち帰りにつながらないだろうか。まずは持ち帰る仕事を生まないことが大切だ。教員の仕事量を点検し、余分な仕事を減らさなければならない。一斉下校日や部活動休養日の子どもの受け皿づくりはどうするか。行事が少なくなると保護者が学校を訪れる機会は減ってしまう。学校の様子を知り、地域社会とつながる貴重な機会だけに、各学校とも頭を悩ますに違いない。

 家庭や地域社会の理解と協力が重要になる。部活動を長時間指導するほど「いい先生」と見られがちな一部の風潮を改めないと、教員は上司からの指示と周囲からの期待の板挟みに遭う恐れがある。校長や教員の努力だけで宣言を完遂できるとは思えない。学校、家庭、地域社会の協働が欠かせない。

 県教委は多忙化解消アクションプラン(行動計画)を二〇一七(平成二十九)年度に作った。二〇二一(令和三)年六月までに時間外勤務の三割削減などを掲げた。教員の適正配置と外部人材活用を進めるとともに、管理職の意識改革を促し、学校と地域社会の橋渡しを務めるべきだ。

 文科省の調べでは、県内の公立小中学校、高校、特別支援学校で毎年六十人ほどの教員が、うつ病などを発症して休職している。過重な仕事が一因と指摘されている。教員が自信とゆとりを持って教壇に立ち、子ども一人一人に向き合える教育現場をつくっていきたい。本県の教育力を高め、子どもの夢をかなえていくために不可欠だ。(鞍田炎)

最終更新:1/14(火) 9:29
福島民報

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