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川谷絵音、2019年に53曲をリリース J-POPシーンで一番曲を作った男?

1/14(火) 14:26配信

CDジャーナル

 ゲスの極み乙女。、indigo la End、ジェニーハイなど多岐にわたる活動で知られる川谷絵音が作った楽曲は、2019年の1年間だけで53曲リリースされました。その楽曲のみで構成されたプレイリストが公開されています。

 “2019年、J-POPシーンで一番曲を作った男”と言ってもけっして過言ではないように思う川谷絵音。もちろん、職業作家やプロデューサーの中には川谷以上に曲を作った人もいるだろうと思われます。しかし、みずからフロントマンとして複数のバンド活動を行ないながら、アイドルから声優、お笑い芸人に至るまで、バラエティに富んだアーティストに楽曲を提供し、しかもほぼすべての楽曲をみずからスタジオでレコーディングしていて、その総数が50曲を超えるというのはほかに類を見ません。

 ゲスの極み乙女。とindigo la Endに加え、昨年は小籔千豊、くっきー、中嶋イッキュウ、新垣 隆との異色のスーパー・バンド、ジェニーハイの活動も本格化。世界中にファンを持つSNSギタリストのichikaを擁するインスト・バンド、ichikoroにもメンバーとして参加し、休日課長のバンド、DADARAYのプロデュース、さまざまなヴォーカリストを迎えるソロ・プロジェクト美的計画の始動と、関連プロジェクトは今もなお増え続けています。

 楽曲提供に目を向けると、坂本真綾、私立恵比寿中学、結城萌子など、女性アーティストへの提供が多いのが特徴。2019年に楽曲提供をした唯一の男性アーティスト(?)は、スピードワゴンの井戸田潤によるハンバーグ師匠の「TOKYOハンバーグ」で、ジェニーハイはもちろん、さらば青春の光の単独ライヴにテーマ曲を書き下ろすなど、もともとお笑い好きで、芸人との交流が多いのもよく知られています。

 川谷の楽曲は一聴して強い記名性を感じると同時に、その曲調やアレンジはじつに幅広いのも特徴。時系列に沿って、いくつかの曲をピックアップしてみると、まず6月にリリースされたのが私立恵比寿中学の「トレンディガール」。エビ中が主演を務めたドラマ『神ちゅーんず~鳴らせDTM女子~』の主題歌で、川谷自身が本人役で出演したことも話題となったが、いわゆるアイドル・ソングのイメージとは異なる、クールなメロディと歌の表情が川谷らしい。また、演奏陣にはゲスの極み乙女。の休日課長とちゃんMARI、ドラムにtoeの柏倉隆史、プログラミングにPARKGOLFといった面々を迎え、オルタナティブな質感を残しながら、最終的にはポップに仕上げる手腕が光ります。

 8月にリリースされた声優・結城萌子のデビューEP『innocent moon』では全曲の詞曲を川谷が担当しているが、ほかのアーティストの場合は編曲まで手掛けることが多いのに対し、本作はアレンジャーが参加していることがめずらしく、中でも注目なのが、昨年は天皇陛下の即位に対する奉祝曲「Ray of Water」を手掛けたことでも話題を呼んだ菅野よう子の編曲による「さよなら私の青春」で、ストリングスが印象的な仕上がりに。また、『けいおん!』をはじめとしたアニメ関連の楽曲を数多く手掛けるTom-H@ckが編曲した「散々花嫁」のキャッチーな仕上がりも特筆すべきものでした。

 11月には多数の作家が参加した坂本真綾のアルバム『今日だけの音楽』で、川谷が唯一2曲を担当し、「ユーランゴブレット」と「細やかに蓋をして」を提供。そもそも川谷はindigo la Endで女性目線の歌詞を多く書いてきたこともあり、女性の心情を綴ることがうまく、その才能を坂本も絶賛。菅野よう子、坂本真綾、Tom-H@ckらとコラボレーションが続いたことで、アニソンファンの間でも川谷の楽曲に対する評価が一気に高まりました。

 『今日だけの音楽』と同日にリリースされたジェニーハイの『ジェニーハイストーリー』では、BiSHのアイナ・ジ・エンドとコラボした「不便な可愛げ」が話題に。また、「ジェニーハイラプソディ」をはじめ、ラップの曲を複数含んでいるが、そのトラックは現行のUSヒップホップを意識したもの。ハンバーグ師匠の「TOKYOハンバーグ」もそうですが、歌詞はナンセンスだったり、徹底的にふざけつつも、音楽的にはトレンドを取り入れ、高いクオリティを保っているというのも川谷楽曲の特徴です。

 そして、12月にはゲスの極み乙女。の新曲「キラーボールをもう一度」を配信で発表。2013年リリースのミニ・アルバム『踊れないなら、ゲスになってしまえよ』に収録され、ライヴ・アンセムとして知られる「キラーボール」の続編で、華やかなホーンセクションをフィーチャーした、端正なジャズ・ファンク調のアレンジがかっこいいナンバー。バンドの代表曲を使ったタイトルは、“もっともっといい曲を作りたい”という川谷の音楽に対する情熱があらためて伝わってくるもので、創作に対するモチベーションの源泉がここにあるように感じられます。

 なお、川谷はLINEのトークBGMのプロデュースも担当。今後は歌ものだけでなく、作曲家としてドラマや映画の劇伴仕事が増えていくかもしれません。2020年もさらなる川谷ワークスに注目です。

最終更新:1/14(火) 14:26
CDジャーナル

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