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荒牧慶彦や北村 諒らが炙り出す闇。演劇ならではの見どころ満載の舞台「憂国のモリアーティ」が開幕。仲の良さをうかがわせた囲み取材の模様も!

1/14(火) 16:01配信

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舞台「憂国のモリアーティ」が1月10日(金)EX THEATER ROPPONGIにて開幕した。
「ジャンプSQ.」にて好評連載中の竹内良輔(構成)と三好 輝(漫画)によるクライム・サスペンス漫画が原作。コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ』シリーズにおけるホームズ最大の敵・モリアーティ教授の人物像に独自の解釈を加え、大英帝国の階級制度を変革しようという彼らの壮大な謀(はかりごと)を追っていく。
主人公、ウィリアム・ジェームズ・モリアーティを演じるのは荒牧慶彦。その兄・アルバートは瀬戸祐介、弟のルイスを糸川耀士郎が演じる。また、モリアーティが一目置くシャーロック・ホームズを北村 諒、ジョン・H・ワトソンを松井勇歩が演じるほか、人気キャストが顔ぶれを揃えた今作。
初日直前に行われたゲネプロと囲み会見の模様をレポートする。

【写真】荒牧慶彦、北村 諒ら出演! 舞台「憂国のモリアーティ」ゲネプロの様子

取材・文・撮影 / 片桐ユウ

◆モリアーティ三兄弟の雰囲気を“冬”とするなら、騒がしく陽気なシャーロック・ホームズ陣営は“夏”
まずはゲネプロの模様をレポートする。

『シャーロック・ホームズ』を題材とした作品は世界各国に数多く存在するが、『憂国のモリアーティ』の異色さは、“モリアーティ”という、シャーロック・ホームズ最大のライバルにして悪役のポジションである彼を主人公にしただけではなく、“階級社会を崩そうと企む”、“三兄弟”という人物に仕立てたところだ。

さらに大英帝国といえば……の諜報機関や、当時の事件なども登場することで、“異聞”でありながらも、ひとりの人物の志と人生を追う大河ドラマ的な流れすら感じさせる。
架空であるはずの小説世界が、こうして派生していくことによってリアルな感触を得る。その面白さをまざまざと感じる作品である。

原作は巻数を重ね、モリアーティたちのさらなる活躍と同時に周囲の登場人物たちの魅力を深めているが、舞台化はその“始まり”の部分。

主人公・ウィリアム(荒牧慶彦)、その兄・アルバート(瀬戸祐介)、弟のルイス(糸川耀士郎)の絆と、彼らの領地にまつわるエピソードから描いていく。

モリアーティ家の長男であるアルバートは、とある孤児院で出逢った少年の聡明さと思想を知り、その弟共々養子として迎え入れる。そしてある事件を起こすことで、その少年はアルバートの弟・ウィリアムとなり、心優しき貴族として人々の心を掴んでいく……。

モリアーティ兄弟が策略を巡らせて、身分に奢った貴族を懲らしめる様には、ある種“勧善懲悪”の爽快感がある。しかしながら“めでたしめでたし”とも言い切れないのが、本作のダークさ。

「階級下の人間は殺してもいい」という貴族の理屈に乗っ取り、モリアーティ兄弟は悪の貴族たちに究極の制裁を加えるのだ。
彼らの野望は腐敗した社会に一石を投じる程度では収まらず、大英帝国自体に壮大な改革を起こすため、仲間を増やして活動を広げていく。

闇に隠れて、時には表の組織を利用して“悪”の貴族たちを潰すウィリアムたち。人が平等であること、この世界に正義を求めるモリアーティ三兄弟は、自分たちが“悪”の手法と理屈を用いていることも、最後には自らもまた地獄行きであることも覚悟の上だ。

舞台では、その人間ドラマと決意がより引き立つ場面がピックアップされていた。

ウィリアムを演じる荒牧慶彦は、怜悧な表情とスマートな立ち回りで底知れないキャラクター性を表現。その一方で、ルイスに真情を吐露する場面などでは人としての温もりも滲ませ、謎に満ちた人物像に血を通わせていた。

ウィリアムに全面的な信頼を置き、同時に彼を支えるポジションであるアルバート 役の瀬戸祐介は紳士然とした物腰が似合っており、落ち着いた演技が芝居部分をしっかり担っていた。また、ルイス 役の糸川耀士郎も細やかな佇まいで、ウィリアムを慕う健気さを見せる。

貴族に対しての冷え切った眼差しと、身分のないものや仲間たちに対しての温かさ。モリアーティ三兄弟の雰囲気を“冬”とするなら、騒がしく陽気なシャーロック・ホームズ陣営は“夏”。

舞台後半は、情熱を秘めたウィリアムの静けさと、騒がしさの中にクレバーさが光るシャーロック・ホームズの対比が光る。

シャーロック・ホームズ 役の北村 諒は、気だるさと軽快さを併せ持ったシャーロック像。そのうえで周囲に振り回される苦労性的な雰囲気が魅力的だった。
ジョン・H・ワトソン 役の松井勇歩やミス・ハドソン役の野本ほたるとのやりとりも微笑ましい。

キーパーソンとなるアイリーン・アドラー 役の立道梨緒奈は、キリッとした謎の美女を好演。コメディータッチな場面とシリアスな展開、両方を行き来しながら「憂国のモリアーティ」の世界観をかたちづくっていた。

モリアーティの仲間たち、セバスチャン・モラン 役の君沢ユウキ、フレッド・ポーロック役の設楽銀河、マイクロフト・ホームズ 役の早乙女じょうじらにも注目。

続々と登場する魅力的なキャラクターに解釈を加え、一層魅力的に見せる役者陣の技量に惹きつけられる今作だ。

脚本・演出は西田大輔が担当。切れ味の鋭い照明と、可動式のセットを多用してアクティブに見せていく場面転換が印象を残した。

◆モリアーティ兄弟とホームズたちのコントラスト
この後は囲み会見の模様をお届けする。
ゲネプロ前に行われた囲み会見には、荒牧慶彦、瀬戸祐介、糸川耀士郎、松井勇歩、北村 諒の5名が登壇。初日を前にした意気込みや舞台の見どころを語った。

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティを演じる荒牧慶彦は「この『憂国のモリアーティ』という作品は、去年ミュージカル版が大盛況に終わり、その後アニメ化も発表されました。それに続きこの舞台が上演されます。これからも盛り上がっていくであろう作品だと思っていますので、僕自身もこの作品がどのように進化していくのか見守っていきたいと思っています」と、作品の話題性に触れる。
そして「憂国のモリアーティ」という作品を未見という人に向けて「本当に素晴らしい作品だぞ、と僕らの想いを込めて皆様にお届けします」とメッセージ。
「視覚的にも内面的にもハラハラドキドキする内容となっておりますので、たくさん楽しんでいただけたらと思います」との意気込みで結んだ。

アルバート・ジェームズ・モリアーティ 役の瀬戸祐介は「だいたい全部まっきー(荒牧慶彦)が言ってくれたとおりですね(笑)」と微笑み、ウィリアムに全面的な信頼を寄せるアルバートを彷彿とさせる。
荒牧と笑い合ったあと、あらためて見どころとして「人間の価値観の真相に迫る作品だと思っています。ご覧になる皆様にはご自身の価値観と比べ合わせて見ていただくことも面白いと思います。演出の西田(西田大輔)さんが作品をすごく理解していらっしゃっていたので、西田さんに付いていくことがこの作品を成功させる一番の近道だと思って細かいところまでつくり込んで稽古してきたので、ぜひその世界観を堪能して欲しいなと思います」とコメント。
さらにモリアーティ兄弟と、シャーロック・ホームズ側の空気感が異なることも明かし、「この2つが混じり合うときの緊張感も楽しんでいただけたら」と呼びかけた。

ルイス・ジェームズ・モリアーティ 役の糸川耀士郎は、「お話をいただいたときから、ここにいらっしゃるキャストの皆さんと一緒に『憂国のモリアーティ』をつくることができるのをすごく楽しみにしていました!」と喜びの表情。
続けて、ミュージカル版が先に上演されていたことで舞台版として何を届けるのかずっと悩んでいたという気持ちを吐露しつつも、「場当たりをしてみて、これは舞台にしかない魅力がたくさん詰まっている作品になっているなと思ったので、初日の幕が上がることが楽しみで仕方ないです。誰ひとり休まず動き回って、舞台をつくっています!」と自信を見せた。

ジョン・H・ワトソン 役の松井勇歩は、明るい役どころを担う重要性について言及。「作品自体、どちらかというと暗い話や事件性が強い話がメインになっているかと思うのですが、僕が演じるワトソンはその中でおそらく一番に明るいキャラだと思うので、そのワトソンの存在意義を舞台上でしっかりと皆さんにお届けできれば」と意気込みを述べ、「演劇の良さが存分に詰まりまくった作品になったなと感じています」と、舞台版としての良さを強調した。

シャーロック・ホームズ 役の北村 諒も「この作品のキャストが決まったときからすごく楽しみでしたし、しかも演出が西田大輔さんということで、すごく人間味がある舞台になるだろうな、とワクワクしていました」と自身も期待していた作品であったことを明かす。
「稽古の中で、登場人物たちの人間味がより増したり、役によっては逆に人間味がなかったりという部分がハッキリと描かれていると思うので、ぜひそこを見ていただきたいなと思います。あとは瀬戸くん(瀬戸祐介)も言っていたとおり、モリアーティ兄弟とホームズたちのコントラストが出ているので、その部分も楽しんでいただきたいなと思います」と、見どころをコメントした。

その後に行われた質疑応答では、糸川耀士郎が“いじられキャラ”であることが明かされ、その後のやりとりでも瀬戸が「この場にはいないのですが、糸川耀士郎くんが……」と、トボケて名を挙げ、糸川が「いや、いますから!」とツッコミを入れるも、会場を見回して「……全然ウケていないじゃん!(苦笑)」と大慌て。その様子に登壇者たちがたまらず爆笑するというひと幕もあり、とびきりの笑顔が溢れる会見となった。

東京公演は1月19日(日)まで、EX THEATER ROPPONGIにて。その後、1月31日(金)~2月2日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて大阪公演が上演される。

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最終更新:1/14(火) 16:01
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