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「週休4日制」で介護離職防げ SMBC日興の決断に期待と不安

1/14(火) 7:15配信

SankeiBiz

 SMBC日興証券が打ち出した、「週休3日・4日」制度が注目されている。介護と仕事の両立など「働き方改革」の一環で、今春の導入に向けて準備が進められている。対象となる社員には、週の半分以上休むことも認めるという大手金融機関としては思い切った取り組みだ。決断の背景には、少子高齢化が進み、多くの人にとって介護が身近な問題になったという事情がある。

 「介護は時短では間に合わない」。週休3日・4日導入の狙いについて、同社の清水喜彦社長はこう説明する。同社の社員数は約1万人で、本人や配偶者の親が遠方に暮らすケースはかなりの数が想定される。しかも、病院は平日しか対応していないことも少なくない。人事担当者の元にも「もう1日休めれば介護ができるのに」という声が届いていたという。

 社員に生き生きと働いてもらおうと、同社は昨年春ごろから週休3日・4日導入について具体的な検討を進めてきた。

 週休4日の対象となるのは、管理職を除く40歳以上の社員。給料は通常の6割となる。木曜から3泊4日で実家に戻り、木曜と金曜は通院、土曜は墓参りや買い物に付きそうといった過ごし方を想定している。30代で介護を抱える社員は週休3日を申請できる。

 ただ、週休3日・4日になると当然、収入は大幅に減る。家庭の事情と将来の生活設計のバランスを考える必要がある。人事担当者は「日数分の給料が減ることについて、社内に周知徹底しないといけない」と話す。

 他の社員への業務のしわ寄せも懸念される。場合によっては、その部署に対して人員を補強したり、業務量を減らしたりすることも検討する。

 社員の介護経験を本業に生かしてもらう可能性も視野に入れる。「人生100年時代」の到来で、金融サービスに対する中高年のニーズの多くは相続や資産の保全・管理に集中する。

 同社も50代以上の社員を選抜して、相続専門のコンサルタントを養成している。清水社長は「相続問題を抱えたお客さまは若い人に理屈で教えてもらうよりも、自分への共感を求めている」と話す。

 東京商工リサーチが全国の企業を対象に行ったアンケート(有効回答約6500社)によると、介護離職は昨年8月までの1年間で、約1割の企業で発生した。一方、対策を何も講じていない企業は約3割、介護離職が将来「増える」と予想する企業は約7割に上る。

 企業にとって、今や介護離職防止は重要な経営課題といえる。介護離職ゼロに向け、SMBC日興の大胆な決断が一石を投じそうだ。(米沢文)

最終更新:1/14(火) 7:15
SankeiBiz

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