ここから本文です

ネットカフェを“漂流“する妊婦がいる。最後まで母親一人で抱えてしまうことで起きる悲劇

1/14(火) 16:48配信

BuzzFeed Japan

日本の虐待死の多くはゼロ歳、ゼロカ月、ゼロ日で発生している。東京都足立区でも昨年末、一人きりで自宅で出産した赤ちゃんを病院に連れて行かずに死なせたとして、保護責任者遺棄致死の疑いで母親が逮捕された。母親は「病院に行くお金がなく、周囲に相談できる人もいなかった」と供述しているという。こうした赤ちゃんの死亡も、厚生労働省の統計では虐待死に含まれる。調査によると過去15年間で373人の0歳児が虐待によって死亡していることがわかっている。【BuzzFeed Japan / 千葉雄登】

ゼロ歳、ゼロカ月、ゼロ日虐待死の背景

「妊娠したかも」、「産んでも育てられない」、そんな女性の悩みは「妊娠葛藤」と呼ばれる。その相談窓口である「にんしんSOS東京」を開設しているNPO法人ピッコラーレの代表理事・中島かおりさんは、こうした問題の背景のひとつには「日本の医療制度において妊娠・出産が妊婦の自己責任で対処しなければならないことにある」と指摘する。

「妊娠をすると、妊娠の確定診断や諸検査、胎児の超音波診断など、必ず医療が必要になります。日本では、『妊娠は病気ではない』として、それらが医療保険の対象にはならない、10割負担とされていることには大きなメッセージが込められているように感じています。それは妊娠に関しては全てその人の自己責任だというメッセージです」

母子手帳の交付を受けることでもらうことができる「妊婦健康診査助成券」によって妊婦健康診査の補助を受けることは可能だ。だが、どれだけの費用が公費で賄われるかは自治体によって少し異なり、助成券だけでは賄えず、検診ごとに自費分がどうしても出てしまう。

また出産にかかる費用に関しては、健康保険に入っている場合、「出産育児一時金」として約42万円が支給される。だが、それだけでは出産にかかる費用をすべて賄うことができないことが多い。

足立区の母親のように自宅で出産するケースでは、妊婦健診を受けていないことがある。

「母子手帳を交付してもらわないと妊婦健診の補助を受けることができませんが、孤立した妊婦は母子手帳未交付が9割以上です」

「窓口に寄せられる方たちの声を聞いていると、貧困であったりシングルであったりする人やその子どもは、社会から排除されているように感じる。国は少子化対策というけれど、その対象になっているのは、健康で、結婚していて、経済的にある程度余裕がある家庭だけではないかと思えてきます」

1/3ページ

最終更新:1/14(火) 16:48
BuzzFeed Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ