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オタク文化の開祖 故・吾妻ひでおさんの「美少女キャラ」に見る理想の女性像

1/14(火) 18:10配信

マグミクス

多くのファンがギャップ萌えした『ななこSOS』

『ななこSOS』『失踪日記』などで知られる漫画家の吾妻ひでおさんが、2019年10月13日に亡くなりました。享年69歳。11月30日には築地本願寺でファン葬が行なわれ、漫画家の萩尾望都さん、SF作家の新井素子さんが弔辞を読み、ファンは献花を行ない、吾妻さんとの別れを惜しみました。多くの人に愛された吾妻さんの功績を振り返りたいと思います。

【画像】「オタク文化の祖」吾妻ひでおが描く美少女キャラ(5枚)

 吾妻さんは1950年、北海道十勝郡浦幌町生まれ。四方が山に囲まれた小さな村で育ったそうです。高校時代に石ノ森章太郎氏の『少年のためのマンガ家入門』(秋田書店)を読んだことがきっかけで、マンガを描き始めます。高校卒業後に上京。『おらぁグズラだど』がアニメ化されていた漫画家・板井れんたろう氏のアシスタントを務めながら、19歳で漫画家デビューを果たしました。

 22歳の時には「週刊少年チャンピオン」でギャグ漫画『ふたりと5人』を連載し、これがヒット作に。以後、『チョッキン』『やけくそ天使』などの人気作を生み出し、売れっ子漫画家となります。シュールな内容の『不条理日記』は優れたSF作品に贈られる「星雲賞コミック部門」を受賞し、SFファンからも支持されることになります。

 吾妻作品の人気の要因は、なんといってもかわいらしい女の子のキャラクターでしょう。萩尾望都対談集『愛するあなた 恋するわたし』(河出書房新社)では、「いちばん楽しいときは?」と聞かれ、「1年に1回くらいかわいい女の子が描けたときだな」と答えています。作者本人がうっとりするほど、吾妻さんが描く美少女キャラクターたちは、とても魅力的だったのです。

 代表作『ななこSOS』の主人公である女子高生・ななこは超能力少女なのに、ドジで泣き虫というギャップがありました。吾妻さんのお気に入りキャラでした。『ななこSOS』は1983年にフジテレビ系でアニメ化されています。「な・な・こ・SOS!」というお約束のコールに合わせて、ななこはレオタード姿のスーパーヒロインに変身し、マッドサイエンティストたちを懲らしめるという内容でした。美少女が地球の危機を救うというストーリー展開は、のちの多くのアニメ作品で模倣されていくことになります。

 半人前の女神ポロンを主人公にした『おちゃめ神物語 コロコロポロン』に続き、『ななこSOS』がテレビアニメ化されるなど活動の場をメジャーシーンにまで広げる一方、自販機本「劇画アリス」「少女アリス」などにも作品を寄稿。また1979年には日本初のロリコン同人誌「シベール」を自費出版し、黎明期のコミックマーケットで販売しています。メジャーとインディーの境界を越えた自由な仕事ぶりもさることながら、ロリコンブームの火付け役とも称されています。

 吾妻さんの描く美少女たちは丸っこいフォルムが特徴的ですが、くびれのない太めの足も印象に残ります。二次元ならではのキュートさにあふれています。『スクラップ学園』の主人公・猫山美亜ことミャアは、ゆるんだソックスをよく履いていました。『スクラップ学園』は1980年に連載スタート。1990年代に人気を博するコギャル文化の象徴だったルーズソックスを、ずいぶん早くから先取りしていたことが分かります。

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最終更新:1/14(火) 20:49
マグミクス

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