ここから本文です

「観光客数至上主義」では観光地は破壊される。パラオに学ぶ「価値観の共有」に重点置く次世代の観光戦略

1/14(火) 16:01配信

AMP[アンプ]

観光地を破壊する「観光客数至上主義」

「観光立国」を目指す日本政府。2020年には訪日外国人の数を年間4000万人に増やしたい考えだ。

政府の目論見どおり、訪日外国人数はこのところ急激な勢いで伸びている。日本政府観光局のデータによると、2011年の訪日外国人数は620万人だったが、それ以来年間20~30%の成長率で増加し、2018年には3120万人に到達した。

訪日外国人の国別内訳は中国がトップ。その数は838万人と国単体で初めて800万人を突破。前年比では13%も増えている。次いで多かったのが韓国で753万人。伸び率は5.6%。このほか台湾(475万人)や香港(220万人)が多く、これら東アジア4市場で訪日客全体の約70%を占める状況となっている。

このペースで伸びていけば、2020年には日本政府が目標とする4000万人に近い数字に達する可能性がある。

しかし、すでにさまざまなメディアで報じられているように一部の観光地では観光客の過剰流入によって「観光公害」が発生。京都などでは地価の高騰、排水・ゴミの増加、渋滞、迷惑行為などによって地元住民の生活・文化や自然が危機にさらされる事態となっている。

この問題は日本だけでなく世界中で深刻化しており、各国・都市による対策が急務だ。

こうしたなか海外では「responsible tourism(責任ある観光)」や「sustainable tourism(持続可能な観光)」といったコンセプトが広がりを見せており、観光客を受け入れる側だけでなく、観光する側の意識の変化が顕著になっている。

また先進的な国・都市では次世代の観光産業をつくりあげようという取り組みが活発化しており、観光産業の様相は大きく変わりつつある。

次世代観光に関していま世界的に注目を集めているのが太平洋の小さな島国パラオだ。人口は約1万8,000人と世界191番目。国土面積は459平方キロメートルで、グアム(549平方キロ)と同等、シンガポール(710平方キロ)の3分の2ほどの大きさだ。

これまで国際社会の注目を浴びることがなかった小国パラオだが、いまその先進的な観光政策によって世界中から注目が集まりつつある。

1/3ページ

最終更新:1/14(火) 16:01
AMP[アンプ]

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ