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「虐待予防の切り札」子どもショートステイ、里親不足 利用増でも登録伸び悩み

1/14(火) 10:41配信

西日本新聞

 保護者の育児疲れや病気などで、一時的に養育できなくなった子どもを数日間預かる「短期入所生活援助事業」(子どもショートステイ)。「虐待予防の切り札」としても注目され、利用者が年々増える一方、受け皿不足が課題となっている。ほとんどの自治体が受け入れ先を児童福祉施設に限定しており、国が提唱する里親による受け入れは広がっていない。

 子どもショートステイは7日以内を原則に、子どもを預けられる国の制度で、自治体が実施する。料金は各自治体で異なり、福岡市ではひとり親家庭と生活保護世帯を除き1日約千円~5千円。仕事や出産、入院のほか、育児疲れで精神的に追い詰められた親が子どもと離れて休息することで、虐待などによる一時保護に至るケースを防げると期待されている。

 厚生労働省の集計によると、2017年は全国で延べ約9万人が利用し、前年の約8万人から急増。福岡市では、18年の利用は458人で、16年の342人から100人以上増えた。

 17年の受け入れ先は全国に797カ所。大半が乳児院や児童養護施設などの児童福祉施設で、里親など施設以外の受け入れは1割以下とみられる。既に長期で入所する子どもがいる施設の場合、年齢や性別によってはショートステイの受け入れが難しく、里親の活用が重要視されている。

 欧米と異なり、里親といえば養子縁組のイメージが日本では強く、登録者は増えていない。福岡市は17年からNPO法人「SOS子どもの村JAPAN」(同市)に委託し、同市西区で里親によるショートステイの受け入れを開始。19年は延べ7人を受け入れた。利用者の近所の里親が子どもを預かるため親が利用しやすく、子どもは通学や通園もできるが、登録里親は5人と伸び悩んでいる。

 同法人の坂本雅子常務理事は「里親には他にも、虐待を受けた子どもの一時保護の役割などもある。絶対数が少ない中で、緊急性が高いものが優先され、予防的な役割を果たすショートステイまで手が回っていない」と打ち明ける。

 福岡市早良区の児童養護施設「福岡子供の家」の松崎剛施設長は「毎月一定数、ショートステイの希望を断っている。施設以外にも、子どもにとってもっと身近な地域に多くの受け皿がある方がいい」と話した。 (本田彩子)

最終更新:1/14(火) 10:41
西日本新聞

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