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【嘘とカメレオン インタビュー】2大タイアップ曲とともに2020年のスタートダッシュを図る

1/14(火) 18:02配信

OKMusic

昨年末に配信リリースした「0」(アプリ『BLEACH Brave Souls』OP曲)をはじめ、年明け早々にTVアニメ『虚構推理』のOP曲を含むニューシングル「モノノケ・イン・ザ・フィクション」の発売や2マンライヴツアー等、2020年もスタートダッシュを図る嘘とカメレオン。中でも、上述の2大タイアップ曲は、各々へのアプローチも楽しめ幅広い層にコミットできる要素も十分に有している。

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挿入歌や主題歌は物語をさらに補填する役割

──「0」と「モノノケ・イン・ザ・フィクション」はタイアップ曲なので、もともとモチーフがあって楽曲制作したと思うのですが、「O」は分かりやすく入りやすい導入から本来の自身の音楽性や世界観へと導き、「モノノケ・イン・ザ・フィクション」は頭からみなさんらしさ全開で。その対象的なアプローチも興味深かったです。

渡辺:そのふたつの話が来たのが同時期ぐらいだったんです。それらを作品毎に精査していった結果、こうなった感じで。正直言って間口的な面はそこまで意識してませんでした。作曲担当の僕としては、そこまで周りがイメージしている嘘カメっぽさの概念を持ったことがないんですよ。

──なるほど。

渡辺:そこを自覚してもしょうがないとさえ思っているタイプなので。いわゆるみんなに求められているものをそのまま出すのもまたちょっと違うし。自分から自然と出てきたものこそ、面白いものだと信じてますから。

──では、わりと対照的に映るこの2曲のアプローチはどのようなところから出てきたんでしょうか?

渡辺:「モノノケ・イン・ザ・フィクション」の場合は作品とのリンク性から引き出されたもので、「0」は『BLEACH Brave Souls』の作品からのイメージでした。

──そのイメージとは?

渡辺:作品に漂う匂いや血生臭さですね。それを単純にいち表現者として閉じ込めたかったんです。特に各曲のイントロでの一番の違いはそこかな。「0」は比較的シンプルに感じたでしょうが、その辺りの差異はそれこそ各作品から引き出されたもので。そこは意図的ではなく、自然と成り行きでできていきました。

チャム(.△):私も壮さんと見解は近くて。作っている我々は“これは『BLEACH Brave Souls』のファンに向けて”とか“これは『虚構推理』のファンに向けて”といった意識は特にはないので、これまでのタイアップ同様、私の場合はデモと作品の世界観から自分がイメージしたものを歌詞や歌にしていっただけでした。

──特に作品やお客さんに迎合していないのは非常に伝わってきます。「0」もイントロやワンコーラス目はこれまでになかった展開こそしていますが、2コーラス目からは嘘カメの世界観に移ってますもんね。

渡辺:結局そうなっちゃうし、何も意識せずにやったがゆえにそうなったんでしょうね。「0」はゲームのディレクターさんがもともと我々を好きでいてくれたらしく、依頼の際も音楽性を理解した上で“自由にやっちゃってください。嘘カメらしさが出れば、それでオーケーです”のみでしたから(笑)。

──それは“お任せ”ってことで選択肢も多岐になり、逆に難しい注文だったのでは?

渡辺:そうなんです。でも、そう気負いなく気兼ねなく自分たちらしさを出させてもらいました。作品に寄せすぎるのもディレクターさんが求めている自分たちらしさを損なう懸念もありましたから。なので、作品を自分たちなりにかみ砕いて表してみました。

──対して「モノノケ・イン・ザ・フィクション」のほうは?

渡辺:こちらも先方から事前にキャラクター性等を伝えてもらいつつも、“この作品から感じた自分なりのものを魅せてほしい”のみで。特に曲調に関する細かい指定はありませんでした。でも、そこで各々に注意しなくてはならなかったのは、この作品の向こう側にいる嘘カメを知らない多くの方々にも納得してもらう必要があるってことで。

──確かに。それに対しては?

渡辺:とはいえ、その方々に向けて媚びへつらうことはせず、“僕はこの作品をこう解釈したから!”と、あえて横柄にやらせてもらいました。自分が自信を持っていいと言えるものを作らないと、作品のファンも含め、誰もいいと感じてもらえないでしょうから。タイトルやストーリーをなぞっただけの楽曲では、それは作品の補填になりませんから。

──補填ですか?

渡辺:物語を語る上で、本当は曲なんて必要ないじゃないですか。それなのにわざわざ用意するのは、物語をさらに補填する役割だと思うんです。なので、曲を作る時も各作品のストーリーが描き出していない…例えば、「モノノケ・イン・ザ・フィクション」だったら妖怪たちの心情や心の中を描き出したり浮彫りにできたら、さらに物語をふくよかにさせられる。そんな意識で、毎度タイアップの際は取り組んでいます。自分がいち視聴者として楽しむ反面、それをあえてぶっ壊す嘘とカメレオンの作曲家としての面を戦わせながらいつも作ってますね。

──今、渡辺さんがおっしゃられていたストーリーには表立っていない裏側の心情や想い、気持ちみたいな面は、これまでのタイアップ作品の歌詞や歌からも感じていました。

チャム(.△):歌詞に関してはそれぞれのモチーフを主観的に見るのか、客観的に見るのかまちまちですが、今回はどちらも作品を読んでから歌詞を書きました。「0」で特に大事にしたのは『BLEACH』の作品から漂ってくる世界観の質感で。それをサウンドや歌詞で表したいなって。

──その“質感”をもう少し言語化できますか?

チャム(.△):80年代のテレビ番組みたいにザラっとしていて、決してツルっとしていない感じ。人物全員に武骨な良さがあって、滑らかで心地良い手触りじゃないけど、ひとつひとつに魅力があるような質感とでもいうか。それをキャラクターや作品、空気感として感受したんです。

──渡辺さんも先ほど“作品の血生臭さを大事にした”とおっしゃってましたもんね。

渡辺:僕的には“鋼の堅さ”みたいな印象も、この作品にはありました。戦う武器の種類にしても刀みたいな。その刀感と切れ味をイントロのギターフレーズに全てを込めてみました。

──イントロがこれまで以上にハードエッジでストレートな理由が判明しました。では、「モノノケ・イン・ザ・フィクション」のほうは?

チャム(.△):アニメの『虚構推理』自体がミステリーやロマンス、ちょっとしたギャグやモノノケが出てきたりと要素が多く、複雑な作品でもある印象を受けたので、どの面をクローズアップしたらいいのか最初は悩んだのですが、その辺りの多面性はAメロBメロサビで歌詞の感じを変えることで表現しました。あと、主人公の女の子がすごく不器用でひた向きなキャラクターに映り、それが自分と重なって、そこにもっともグッときたんです。サビはグッとくるものじゃないといけないという持論もあり、主人公の女の子の気持ちで書いたはずが、気付けば自分が言いたかったものと重なってました(笑)。おかげさまでより気持ちを乗せて書けたので、そういう部分が2曲の歌詞や歌の表現の違いにも表れたかなと。

渡辺:「モノノケ・イン・ザ・フィクション」のほうが自分たちの音楽性と近く感じるのは、実際に作品との共鳴性が大きいからで。作品中に妖怪がたくさん現れるんですが、その妖怪と人間との距離や関わり方次第で毒にも薬にもなるという、その関係性にシンパシーを抱いたので、イントロは妖怪たちが大集合した感じにしたく、ああなりました(笑)。

──全体的にギュっと詰まったバースと、そこを抜けて現れる伸びやかな部分のコントラストも印象的でした。

渡辺:その辺りも作品が持ち合わせていた要素のひとつと感じ、メロディーやアレンジで表してみました。実は話の内容はヘヴィだったりするんですよ。すごくシリアスな内容なのに、“そこにこんな要素をぶっ込んでくるのか!?”ってぐらい急な角度で恋愛の話やそれを掻き消すようなギャグが飛び出してくるんです。主人公の恥ずかしさの照れ隠しもあるんでしょうが、そこにいじらしさを感じ、そのひた向きな面をサビでグッと補填に近い感じで引き出してみました。

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最終更新:1/14(火) 18:02
OKMusic

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