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殿堂入り石井連蔵氏、タブー破り「水を飲め」指導

1/14(火) 20:05配信

日刊スポーツ

球界の功労者をたたえる野球殿堂入りが14日、都内の野球殿堂博物館で発表され、エキスパート部門で阪神、西武などで活躍した田淵幸一氏(73=野球評論家)が選出された。歴代11位の通算474本塁打を放ち、ダイエー(現ソフトバンク)で監督、阪神、楽天でコーチとして指導した。

【写真】伝説の「早慶6連戦」/石井連蔵氏

特別表彰では60年の「早慶6連戦」を指揮した元早大監督の石井連蔵氏(享年83)と元慶大監督の前田祐吉氏(享年85)が選ばれた。プレーヤー部門ではヤクルト高津監督らが候補だったが得票率で達せず、競技者表彰がプレーヤー表彰とエキスパート表彰に分かれた08年以降、初めて選出がなかった。

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石井氏は厳しい指導から「鬼の連蔵」として知られた。60年秋の早慶6連戦を制し、早大を3季ぶりの優勝に導くと、88年には低迷したチームの再建を託されて再び監督に就任。90年春には1年生の大越基投手を擁して優勝した。2度目の任期の教え子で、現早大監督の小宮山悟氏(54)は「厳しかったけど、言っていることは正しく信じられた」と振り返る。

練習中に水を飲むのがタブー視されていた時代、どこで勉強したのか「水を飲め」と指導した。明治神宮外苑苑長を務める長男の拓蔵氏は(61)は「野球しか知らないような人だった」と話す。家庭では古き良き昭和の父親。家に野球の話は持ち込まず、息子とキャッチボールもしなかった。生前は「おれは6連戦で勝っただけ。それ以外はだめだった。6連戦のおかげで今があるんだ」とおごらなかった。

今秋で6連戦から60年がたつ。小宮山監督は「学生が社会に出た時、あの監督に教えてもらってよかったと思ってもらえるか。その目標になっているのが石井連蔵」と指導のベースに恩師を置く。「まず春のリーグで優勝しないと全日本大学選手権に出られない。そこで大学日本一。1戦1戦大事に戦いたい」。石井イズムは今もWASEDAに生きている。【鎌田良美】

◆野球殿堂 1959年創設。競技者表彰(プレーヤー部門とエキスパート部門)と特別表彰がある。プレーヤー部門の選考対象は現役引退後5年を経過してから15年間。エキスパート部門は選手引退後21年を経過したり、監督、コーチを引退後6カ月を経過した人が対象。特別表彰はアマチュアや審判員、野球発展に顕著な貢献をした人が対象になる。

最終更新:1/14(火) 22:57
日刊スポーツ

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