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イラン旅客機撃墜、多くのミスが重なった可能性-専門家が指摘

1/14(火) 6:05配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): イランの防空部隊がウクライナの旅客機を巡航ミサイルとなぜ間違えたのか、詳細はいまだ判然としない。だが、明らかなことが1つある。このような過失に対する防止策があったにもかかわらず、それが全て機能しなかったという点だ。

乗員乗客176人全員が死亡した今回の事件は、恐らく多くのミスが重なり合った結果だろうと、航空宇宙・防衛産業の調査会社ティール・グループでシニアアナリストを務めるスティーブン・ザロガ氏が指摘した。

「さまざまな問題が背後にありそうだ」とし、「方法も技術も不完全だったことを事件は強く示唆する。誤射を防ぐ方法がしっかり練り上げられているべきだった」と述べた。

イランは徹底した調査を実施し、「犯人」を裁きにかけると表明した。イラン当局がイラクの米軍駐留基地を攻撃した後の緊迫した時間に民間機の飛行を許可した点も不可解だ。撃墜されたウクライナ機の飛行軌道は、間違われたとされる巡航ミサイルとは大きく異なる。同機はテヘランの空港を通常の進路に従って離陸し、撃墜時まで民間機であるとの信号を明確に送っていた。

撃墜に使用された防空ミサイル「SA-15トール」は短距離の脅威に対して極めて効果的だが、それ自体に民間機と巡航ミサイル、その他軍用機を容易に見分けることができるような装置は付いていない。このため同ミサイルを配備する国は、民間機を追跡する機能を備えた総合的な防空指揮管制システムに連動させて運用することが一般的だと、ザロガ氏は話す。同氏によると、ミサイル担当官は上官の承認がなければ発射できないはずで、上官には民間機を追跡する他システムからの情報が来ていたはずだという。

だがイラン航空宇宙軍のハジザデ司令官の説明によると、担当官は攻撃前に承認を得ることになっているが上官とは連絡が付かず、判断する時間が10秒しかなかった。

ザロガ氏は、イランはイラクの米軍基地攻撃に関与したことを示唆したくなかったため、民間機の飛行許可を維持したのかもしれないとの見方を示す。その結果、民間機を危険にさらすことになり、「全ての民間機の乗客全員が人間の盾として使われた」とデンマークの航空防衛企業テルマのミサイル防衛問題担当ディレクター、サイモン・ピーターセン氏は語った。

原題:Multiple Failures Led to Iran’s Accidental Attack on Jetliner(抜粋)

(c)2020 Bloomberg L.P.

Alan Levin

最終更新:1/14(火) 6:05
Bloomberg

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