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米中「第1段階」合意 署名前から批判噴出 中国の構造改革先送り懸念

1/15(水) 15:11配信

産経新聞

 【ワシントン=塩原永久】米中両政府による貿易協議の「第1段階」合意の署名を15日に控え、米産業界や政界から合意内容への注文や批判がさっそく噴出している。中国による知的財産権保護などの構造改革が、第2段階の協議に先送りされるとの懸念が根深いためだ。11月の米大統領選挙に向けて、トランプ米大統領が防戦に回る局面も想定される。

 民主党は14日、上院トップのシューマー院内総務がトランプ大統領に、「弱い合意は米国労働者や企業に害を及ぼす」と指摘する書簡を送付したと発表した。

 シューマー氏は15日にホワイトハウスで署名を予定する米中合意で、中国に構造改革を確約させるとしてきた政権の取り組みが、不十分に終わるとの懸念を表明。中国による米農産品の大量購入を評価し、米政府が対中制裁関税の一部低減に応じる内容の第1段階合意は、トランプ政権が中国に大幅な譲歩をしたとの印象を与えかねない。

 トランプ氏の弾劾問題などで同氏と鋭く対立するシューマー氏だが、対中政策については“盟友”となってきた。米企業に対する知財窃取や技術移転の強制といった中国の貿易慣行を、シューマー氏は問題視。関税発動を辞さず中国に厳しく対処するトランプ氏に、エールを送ってきたのだ。

 それだけにシューマー氏は第1段階合意に関し、党派を超えてトランプ氏の対中交渉を称賛してきた自身の立場が「無駄骨になる」と危ぶむ。

 米産業界からも、中国に構造改革を迫る第2段階協議を急ぐよう求める声が出ている。米商工会議所のドナヒュー会頭は9日の年頭所見で、「まだ道は遠い。第2段階協議では、米企業を不利にしている中国の貿易・産業政策を是正させねばならない」と述べ、トランプ政権にくぎを刺した。

 一方、トランプ政権は「歴代政権がなし得なかった大きな成果だ」(経済閣僚)と合意内容を擁護する構えだ。だが、民主党や産業界が求める第2段階の合意について、トランプ氏は今月、ツイッターへの投稿で11月の大統領選後に先送りする考えを示した。ロイター通信によると、ムニューシン米財務長官は14日、第2段階での合意まで、計3700億ドル(約41兆円)の対中制裁関税を維持する意向を表明した。

最終更新:1/15(水) 15:11
産経新聞

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