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電力データ災害時活用 家庭用、自治体へ提供可能に 国会に法改正案

1/15(水) 11:43配信

西日本新聞

 政府は家庭に設置された次世代型電力計「スマートメーター」のデータについて、電力会社が災害時などに自治体や自衛隊に対し、住人の同意なしに提供できる仕組みをつくることを決めた。自治体などが住人を訪問し、安否確認や救助に活用できるようにする狙い。20日召集の通常国会に、顧客情報の目的外利用を禁じた電気事業法の改正案を提出する。

 電力会社が設置するスマートメーターは通信機能を備え、遠隔で検針している。政府が今回、災害や防災訓練の際の提供と活用を想定するのは、30分おきに収集している家庭の電気使用量や通電状況のデータ。経済産業相の要請が前提条件になる。

 自治体職員や自衛隊員は電力会社から提供されたデータを分析し、停電が長引いている▽危険が迫っているのに電気が使われている▽使用量が普段と極端に異なっている-などの家庭を個別に訪問。けがをして動けなくなっていたり、冷房が作動せず体調を崩していたり、避難が必要なのにとどまっていたりする住人の早期発見と避難呼び掛け、病院搬送に役立てる。停電などのスピーディーな復旧にもつなげたいとしている。

 契機となったのは、千葉県を中心に大規模停電が発生した昨年9月の台風15号だ。自治体がスマートメーターなどのデータ提供を求めたのに対し、東京電力は本人の同意なしに第三者への提供を禁じた個人情報保護法への抵触を懸念し、すぐには応じなかった。経産省が、「人の生命、身体、財産保護に必要な場合は除く」とした同法の例外規定に該当し法令違反でないことを確認する時間を要し、迅速な対応に課題を残した。

 このため、台風15号災害を検証した経産省の有識者作業部会が改善策を議論。電気事業法を改正することにより、データ提供の法的根拠を明確にすべきだ、との趣旨の報告書を昨年末にまとめていた。

 スマートメーターの普及率は昨年3月現在、全国で約6割、九州電力管内では約5割。2023年度末には九電管内で、24年度末には大手電力10社すべてで導入が完了する見込み。 (湯之前八州)

最終更新:1/15(水) 11:43
西日本新聞

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