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殿堂の田淵打法に凝縮「日本の元祖」和田一浩分析

1/15(水) 10:00配信

日刊スポーツ

<解体新書 和田一浩氏>

球界の功労者をたたえる野球殿堂入りが14日、都内の野球殿堂博物館で発表され、エキスパート部門で阪神、西武などで活躍した田淵幸一氏(73=野球評論家)が選出された。歴代11位の通算474本塁打を放ち、ダイエー(現ソフトバンク)で監督、阪神、楽天でコーチとして指導した。

【写真】阪神時代の田淵幸一氏

田淵氏の現役時代のフォームを日刊スポーツ評論家の和田一浩氏(47)が連続写真で分析した。

   ◇   ◇   ◇

守備面が重視される捕手でありながら、474本塁打をマーク。打数は5881しかない。12・4打数に1本という本塁打率は、400本塁打以上で王さんに次いで2位。田淵さんは捕手としてプロ入りした私にとっても、憧れの選手だった。当時の記憶からも「バットにボールを乗せて、きれいな放物線を描くホームラン打者」というイメージが定着していた。連続写真を見ても、時代を先取りしたような打撃技術を持っているのが分かる。私のような若輩者が「どうのこうの」と語るのはおこがましいが、現在でも通用する打撃技術を伝えてみたい。

近年、よく耳にする“フライボール革命”だが、田淵さんの打撃は“日本の元祖”のような技術が詰まっている。左肩を内側に入れて構えるクローズドスタンスの<1>からトップの形ができる<5>まで、ほとんど上半身が動いていない。左足のステップもわずかで、体の回転だけで打ちにいっている。非力な日本人で、これだけ小さな動きで長打を打てる打者はいないだろう。

<6>でもバットのヘッドが体に巻き付くような流れで内側から出ている。インパクト直前の<7>では右膝が左膝の裏側にぶつかるようにして使えている。ここでの右足の力感が、小さな動きの中で強い打球を打てる原動力になっている。

素晴らしいのは<8>の背中で、ハンマー投げをしているような形で、バットのヘッドを走らせているのが分かる。このように上半身を後ろに引くようにして打てるから体が突っ込まず、軸もぶれない。インパクトした瞬間の写真はないが、<7>から<8>のバットの軌道を想像してみても、バットにボールを乗せるような軌道で打球を運べているイメージが浮かんでくるだろう。

<9>以降のフォロースルーも、外国人打者のように大きい。リストターンしてバットのヘッドをこねないように使えているから、きれいな放物線を描くような打球が打てる。また<1>から<12>までの両膝を比べてほしい。ほとんど同じ高さで打てている。これが軸がぶれない秘訣(ひけつ)。軸がぶれないから、大きなフォロースルーで運ぶようにして打球を飛ばせる。偉大な“アーティスト”と呼ばれるゆえんだろう。殿堂入り、本当におめでとうございます!(日刊スポーツ評論家)

最終更新:1/16(木) 23:32
日刊スポーツ

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