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「養育費未払いの親の身元公開」バッドファーザーズ関係者「無罪」

1/16(木) 8:12配信

ハンギョレ新聞

裁判所「公益のためと考えられる」 国民参加裁判、陪審員全員無罪評決

 養育費を出さない親に圧力をかけるため、その親たちの身元を公開してきたサイト「バッドファーザーズ(悪いお父さん)」の関係者に、裁判所は無罪を言い渡した。

 15日、水原(スウォン)地裁刑事11部(イ・チャンニョル裁判長)は、情報通信網利用促進及び情報保護などに関する法律違反(名誉毀損)の容疑で起訴されたA氏(57)に対する国民参加裁判で、このように宣告した。

 同地裁は「被告人は養育費未払い者についての情報を公開する活動をすることで対価を受け取るなどの利益を得たことはなく、対象者を卑下したり悪意をもって攻撃したりした事情はない」と判決理由を述べた。さらに、「養育費の未払いによって危機に瀕している人が多くなり、多くの関心の対象となっており、問題解決策が講じられている状況」だとし、「被告人の活動は養育費を受け取れていない多くの養育者が苦しんでいる状況を伝え、支給を促すという目的があり、公共の利益のためと考えられる」と説明した。

 A氏は、子どもの養育費を支給しない親という情報提供を受けた人々の顔写真、名前、年齢、住所、職業、未払い養育費などの情報をバッドファーザーズのサイト運営者に伝え、個人情報を公開させ、個人の名誉を傷つけた疑いで起訴された。

 検察は2018年9月から同年10月の間にバッドファーザーズによって情報が公開された親5人(男性3人、女性2人)から告訴状の提出を受け、捜査を開始した。検察は、検察市民委員会の意見を求め、委員9人のうち7人から起訴意見が示され、昨年5月にA氏を罰金300万ウォン(約28万5000円)で略式起訴した。しかし裁判所は、A氏事件のケースは一般的な名誉毀損事件とは性格が違うとみて、職権で正式裁判に送付した。

 その後、A氏側は国民参加裁判を要請。14日午前9時30分から始まった国民参加裁判は15時間以上にわたって行われ、Aさんの行為が公益活動に当たるかどうかをめぐり論争が繰り広げられた。

 検察は「被害者一人ひとりの養育費未払い事実は公的関心事項とはみなせず、本人への確認手続きもなしに過度の個人情報を公開しており、これによって侵害された私益は大きい」と主張した。これに対しA氏側は「養育費は単なる金銭問題ではなく、子どもたちの生存に直結する重要な問題だ。外国では養育費未払い者に対して刑事処罰を科すのに、今回の事件では加害者が名誉毀損を理由に被害者になりすましている」と反論した。

 A氏は「韓国は養育費の被害児童が100万人にもなる。子どもたちが苦しみから抜け出せる世の中になってほしい」と最終陳述で述べた。

 双方の主張を聞いた7人の陪審員(予備陪審員1人を除く)は全員無罪評決を下した。
キム・ギソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:1/16(木) 8:12
ハンギョレ新聞

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