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魔物が棲んでいる!?『フォードvsフェラーリ』で話題の「ル・マン24」ってこんなに過酷…!

1/16(木) 21:00配信

Movie Walker

昨年、トヨタが2連覇したことが日本でも話題を集めた「ル・マン24時間耐久レース」。このレースでの優勝を目指した男たちの熱い闘いを描く『フォードvsフェラーリ』が公開中だ。誰もが一度は耳にしたことがあろうル・マン24だが、実は魔物が棲むと言われるほど過酷…!

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物語は1960年代、米国の大手自動車メーカーのフォードは、経営不振に陥った同社の復権を試み、60~65年までル・マンを6連覇していたフェラーリの買収を画策。しかし、その買収劇は失敗に終わり、復讐に燃えるフォードはル・マンでフェラーリを破り、モータースポーツ界の頂点に君臨しようとするのだった。

■ 24時間で5000kmも走る…!世界で一番過酷なレース

市販車の耐久性を競う催しとして始まった「ル・マン24時間耐久レース」は、約100年にわたって続く歴史あるレースで、F1の「モナコグランプリ」、アメリカの「インディ500」と共に“世界三大レース”の1つに数えられている。全長約13.5kmのコースを3人のドライバーが交代しながら、昼夜を通して24時間走り続け、24時間でのサーキット周回数を競う。優勝の目安は近年でだいたい380周でだいたい5200kmほど。この距離は、日本の本州を3回縦断してもお釣りがくるというから驚きだ。

さらにこのコースのほとんどが普段は公道として使われており、常設コースに比べ路面のコンディションは悪く、道幅も狭いため、車体にもドライバーにも大きな負担がかかる。そんなコースを24時間走り続けなければいけないため、ドライビングの腕はもちろん、タフな精神力、車体の性能など、ドライバー&エンジニアの総合力が問われるまさに業界最高峰の大会なのだ。

■ 死傷者約200人の大惨事も…。過酷さゆえに事故や予期せぬトラブルも多発

過酷さからか、魔物が棲むからなのか、過去には事故やアクシデントも多発…。55年にはドライバーを含む死者約80名、重軽傷者120名以上を出した“モータースポーツ史上最大の大惨事”と言われる事故も起きている。

車の整備を行うピットと本コースの間に区切りがなく、ピットに出入りする車同士が接触する危険性が非常に高かった当時のサーキット。この事故では、一台の車がピットインする車を避けようと急減速して横にそれたのを機に、後続の車が前方車に乗り上げ空中へ飛び出し、そのまま観客席に突っ込んでしまったのだ。

また、70年に開催されたレースでは、出走51台に対して完走わずか7台という史上最も低い完走率を記録。2016年には、トヨタがレース終了の直前でトラブルに見舞われ初優勝を逃すなど、長時間のレースだからこその、想像もできない出来事が起こるのがル・マンの恐さと言えるだろう。

■ サーキットも建設!半端ない制作陣のこだわり

そんなル・マンの過酷さがにじみ出ている本作の走行シーンでは、より本物らしさを追求するためにフランスのロワール渓谷と似た場所を何か月も探して、当時のル・マンと同じ巨大なコースと観客席をイチから建設。そして、レーシングカーにカメラを搭載し、ドライバーを演じるのキャスト陣の撮影もレースと同じ正確なスピードで行われた。さらに、劇中には当時製造された車が登場し、ペイントも63年フォードのカラーブックの仕様にされるなど、様々なところでこだわりが施されている。

また、駆使された技術と300枚以上の当時の写真を基に、スタート時の車の混み合いによる大クラッシュや、ブレーキの故障による炎上事故に、天候や道路状況によっておこるアクシデントの様子もCGを極力廃して描かれた。これらには、ジェームズ・マンゴールド監督の「観客がレースを実体験できるように、24時間のレースがどういうものか肌身で感じてほしい」という思いがある。こうして作られたリアルで大迫力な映像を通して、観客はレースの熾烈さを肌感覚で味わうことができるのだ!

このように過酷なル・マンだが、このレースに勝利して名誉とブランド価値を手に入れるため毎年多くのチームが出場している。中でも本作の舞台となった伝説と語り継がれる1966年レースの裏側では、フォードとフェラーリの企業戦争が繰り広げられ、企業のエゴやマーケット戦略に巻き込まれながらも、気鋭のカー・デザイナーと型破りなレーサーがプライドを貫き様々な困難に立ち向かう姿が描かれていく。死と隣り合わせの過酷なレースに、なぜ人々が惹きつけられるのか?本作を観ればその答えにたどり着くことだろう。(Movie Walker・文/トライワークス)

最終更新:1/16(木) 21:00
Movie Walker

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