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木星が彗星を地球に送り込んできているらしい

1/17(金) 10:00配信

ギズモード・ジャパン

シールドだけじゃない。

木星はその強大な重力で彗星や小惑星などの小天体を引き寄せて、地球を隕石の脅威から護ってくれていると考える人もいれば、むしろまったく逆で小天体を地球方面にどんどんリダイレクト(転送)しちゃってますよって主張している科学者もいます。今回新たに発表された研究では、その「リダイレクト説」の仕組みがシミュレーションによって明らかになりました。

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木星は地球にとって盾なのか、それとも小惑星を投げつけてくる脅威なのか。ぶっちゃけ、どちらの側面も持っているようです。

揺らぐ「盾説」

木星の重力は巨大な盾のように機能していて、飛来してくる小惑星や彗星の軌道を変えて違う方向へはねのけたり、そのまま吸収していると考えられてきました。しかしこの木星「盾説」は20年ぐらい前から徐々に揺らぎつつあります。

「盾説」に異を唱え続けてきたKevin GrazierさんはNASAに所属する惑星物理学者で、とりわけ2008年に出版された「Jupiter as a Sniper Rather Than a Shield (直訳:盾ではなく、スナイパーとしての木星)」は有名。研究の発表を重ねるごとに、木星は地球を護ってくれているどころか、間接的ではあるものの地球に悪影響をもたらしかねないという論点を積み重ねてきました。

直近ではAstronomical Journal (2018年)とRoyal Astronomical Journal(2019年)にGrazierさんの論文が掲載され、前者は木星・土星・天王星・海王星の4つのガス惑星が太陽系外縁天体にどのような影響を及ぼしているのか、後者では木星の影響で小惑星が彗星の軌道に移り、地球方面に飛び出してくる事例に焦点を当てています。このふたつの論文が合わさって、「盾説」の信憑性を大きく揺るがしています。

「いや、信憑性を揺るがすというよりも、完全に覆したと言って間違いないね」とGrazierさんは米ギズモードにメールで強気のコメント。「私たちのシミュレーションでは、木星は地球を隕石の脅威から護っているのと同じぐらいの頻度で、地球へ彗星を送り込んできていることがわかった。そしてこれはデータだけに終わらず、実際太陽系で起こっていることと符合している」とのこと。

まだ地球が若かったころは、彗星や小惑星の衝突によって生命誕生に必要な元素が送り届けられた側面もあり、結果的にはプラスでした。ところが、今の地球に隕石が堕ちてきたならば、人類なんてひとたまりもありません。

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最終更新:1/27(月) 19:00
ギズモード・ジャパン

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