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新型特急「ひのとり」がくる! 2020年、近鉄から目が離せない

1/17(金) 8:00配信

ITmedia ビジネスオンライン

 2020年、鉄道の話題の一つに、近畿日本鉄道の新型特急「ひのとり」デビューがある。名古屋~大阪間で東海道新幹線とガチな競争だ。さらに19年は複数集電列車、18年は軸間可変列車の構想を発表した。これらの技術革新の続報があるかも注目したい。

【近鉄新型特急ひのとり、ゆったり3列「プレミアム車両」の内部】

名阪特急「ひのとり」が新たな伝説をつくる

 近畿日本鉄道は3月14日、名阪特急ルートに新型車両「80000系電車」を投入する。愛称は「ひのとり」だ。従来の近鉄特急のイメージを変える真っ赤な車体に、鳳凰(ほうおう)を連想するシンボルマークが描かれる。客室設備は「プレミアム車両」と「レギュラー車両」の2種類を用意。6両編成のうち、両端の運転台付き車両が「プレミアム車両」で、中間車4両が「レギュラー車両」だ。

 プレミアム車両はハイデッキフロアで、運転席越しの前方、後方の眺望も楽しめる。座席は1+2列の本革シート。電動リクライニングシートとレッグレスト、シートヒーターを装備。前後の間隔は1300ミリで国内最大級。バックシェルを採用し、後席を気にせずにリクライニングできる。JR東日本が新幹線で採用した「グランクラス」並みの装備だ。

 レギュラー車両もバックシェルタイプのシートを採用した。前後の間隔は1160ミリで、近鉄のレギュラーシートとしては最大。新幹線のグリーン車に匹敵する。バックシェルがあるぶんだけ新幹線グリーン車より格上感がある。

 近鉄名古屋~大阪難波間の運賃と特急料金と特別車両料金は、レギュラー車両の場合は4540円。プレミアム車両の場合は5240円だ。ちなみに、東海道新幹線の名古屋~新大阪間は普通車指定席で6680円(通常期)、スマートEXで6480円(同)だから、プレミアム車両にしても新幹線より安い。

乗車品質で勝負だ

 名古屋駅~大阪駅間の最速移動手段は東海道新幹線だ。名古屋~新大阪間は約50分。新大阪~大阪間は約4分。乗り換え時間を含めて1時間ちょっと。最速であり、最もシェアが大きい。そこに異論はなかろう。この圧倒的な速さと座席数に対し、近鉄の「名阪特急」は果敢に戦ってきた。JR東海と近鉄の名阪輸送は「速さの新幹線」「安さの近鉄」というライバル関係であった。そこに近鉄はグレードアップ車両「ひのとり」を投入し、乗車品質を向上させた。

 「ひのとり」は6両編成8本、8両編成3本が順次投入される予定だ。3月14日から名阪特急のうち5往復が「ひのとり」になる。例えば、平日の近鉄名古屋発は午前7時、11時、午後1時、5時、7時、8時ちょうどだ。名阪特急はこのほかの車両も合わせるとおおむね30分間隔で運行している。乗車機会としても新幹線に匹敵する。名古屋~大阪間は東京~新大阪間の乗客が多いため、運行本数が多くても指定席を取りにくい。窓際など人気のある席の希望も叶いにくい。しかし名古屋~大阪専用の「ひのとり」なら指定席を獲得しやすいだろう。

 また、大阪中心部の難波へのアクセスも考えると、新大阪駅~なんば駅間は地下鉄御堂筋線で15分ほど要するから、新幹線と近鉄特急の所要時間差は縮まる。さらにいうと、近鉄は2027年のリニア中央新幹線開業を見据えているだろう。東京~名古屋間をリニアに乗り、名古屋~大阪間を東海道新幹線に乗り継ぐか「ひのとり」にするか。速さの魅力でリニアを選んだビジネスパーソンは東海道新幹線に乗り換えそうだけど、観光客はリニア+「ひのとり」を選ぶかもしれない。そう遠くない将来を見据えれば、近鉄は「名阪特急」よりも「ひのとり」のブランドを前に出したいだろう。

 近鉄は大手民鉄で最も広大な路線網を持つ会社だ。圧倒的な資本力を持つJR東海と、名古屋~大阪間でライバル関係を持っているところが興味深い。圧倒的な性能と座席数を持つ白い新幹線に、居住性と低価格で挑む赤い「火の鳥」。アニメ『機動戦士ガンダム』になぞらえれば、地球連邦軍の白いガンダム対ジオン公国の赤い彗星ザクだ。この関係は客観的に見て心が躍る。リニア方面に注力するJR東海の間隙を「ひのとり」が突く。

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最終更新:1/17(金) 8:00
ITmedia ビジネスオンライン

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