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ファッションテックの黎明期支えた「エトヴァス・ボネゲ」が小売事業を終了、ウェアラブルデザイン開発などに注力

1/17(金) 18:10配信

FASHIONSNAP.COM

 デザイナーのオルガ(Olga)による「エトヴァス・ボネゲ(Etw.Vonneguet)」が、小売事業を終了する。

 エトヴァス・ボネゲは、2009年に原宿のメインストリートをランウェイに見立てたゲリラパフォーマンス「葬送」を皮切りにブランドをスタート。3DCGモデリングソフトをデビュー当初から積極的に制作に取り入れ、紫外線を当てるとプリントが浮き出るウェアといったデジタル技術を用いたコレクションを発表し、「ボネゲ」の愛称で親しまれながらファッションテックの黎明期を牽引した。2011年春夏シーズンには東京ファッションウィークに初参加。ショーモデルの起用にあたり、ブランドのファンであれば性別や国籍、プロ、アマチュアを問わずにオーディションに参加できる独自のキャスティングシステムを採用するなど、既存の方法に捉われずにファッションを発信してきた。実店舗では、2016年3月に旧渋谷パルコに直営店を出店したが、渋谷パルコのリニューアルに伴い現在は退店。新作の発表は2016年春夏コレクションをもって休止している。その後、オルガはウェアラブルデザインや研究開発に携わり、ファッションテックに特化したデザイン会社ish inc.を2019年に設立。エトヴァス・ボネゲはひとつの事業としてオンラインでアーカイブ商品を販売してきた。

 小売り販売の終了の理由についてオルガは、自身のnoteで「作って売るという恐ろしいサイクルの中、そこに当然のようにやってくるセールによって、自ら自分の服の価値を下げる行為を定期的にしなければならないという謎の商慣習が自分らしくないと感じた」と説明している。現在オルガは、布状のスピーカーをデザインする研究開発プロジェクトの成果発表としてファッションインスタレーション「SOUND FABRIC ORCHESTRA」の開催に向けたクラウドファンディングを実施しており、オンラインサイトに残っているエトヴォス・ボネゲのすべての商品は、今回のクラウドファンディングのリターンの福袋として販売。なお、布スピーカーを使ったパーカはインスタレーションに先駆けて、キャンプファイヤーとパルコが共同運営している渋谷パルコのショップ「ブースタースタジオ バイ キャンプファイヤー(BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE)」で1月31日まで展示している。

 今後エトヴォス・ボネゲではこれまでのようにデジタル技術を使ったレディ・トゥ・ウェアを作ることは無いが、コードネームとして名称は存続させる考えだという。オルガ自身はCG、AI、IOTを活用したファッションやライフスタイルプロダクトの開発にこれまで以上に注力。「ファッションテックという言葉が無くなるほど常識になる未来をアヴァンギャルドなスタイルで追求していきたい」と話しており、既存のファッションブランドの概念に捉われない活動をしていくという。

最終更新:1/17(金) 18:10
FASHIONSNAP.COM

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