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“成分分析”と“証拠写真付きレビュー”...中国版インスタに生まれた厳格すぎる「タネ草」の世界

1/17(金) 7:51配信

ハフポスト日本版

我々は、知らないうちに、ネットに欲望をコントロールされているのかもしれない。

衣服でも、小説でも、今日の晩御飯でもいい。ツイッターやフェイスブックを見ながら「あ、これいいな。買おう」と思ったことは誰しもあるはずだ。

中国ではこの現象に名前がついた。「タネ草(種草)」という。直訳すると『草を植える』で、由来は脳に欲望を植えつけるから...という説もある。

「中国版インスタグラム」の異名を持つ『小紅書(英語名:RED)』は、このタネ草現象をうまく活用して勢力を広げている。来日中の社員を取材したところ、タネ草にこだわり、進化を重ねた独特な生態系が見えてきた。

化粧品の成分分析も

「タネ草についてはよく聞かれるんです」と頭をかくのは、小紅書ブランド広告部のプランナーを務めるモニカ・ツァオさん。ネットで情報を知り、それが購買につながる、という現象がここ数年で加速しているという。

「人に倣うというのは別に大昔からある話ですよね。ただSNS時代になり、それまでは小さなブームで終わったものが急速に広まるようになりました。(ニュースではなく)SNSで情報を収集する傾向が強まったのもあります」

小紅書はインスタグラムのような、写真や動画をメインとしたSNSだ。

モニカさんによると、ユーザーの80%が女性、70%が20代と、若い女性の間で支配的な地位を確立している。さらに全体の87%が「ショッピングの経験を他人とシェアしたい」と考えているといい、若年層の女性を中心にタネ草が巻き起こっていることが窺える。

ネットの書き込みが、知らず知らずのうちに他人の購買欲を刺激する、というのはよくある話だ。だが小紅書では、書き込む内容に尋常ならざる「こだわり」が求められるという。

「『この製品良かったよ』では全然ダメです。写真が綺麗でもダメ。例えば化粧品なら、まずは自分で成分を分析する。そして使ってみて1時間後にはこうなったとか、詳細なレポートを書かなければ評価されません」

例えば顔に塗るクリームのレビューを見てみる。タイトルには「独自分析!」などのキーワードが並び「成分:ニコチンアミド」「グリセリン」などと分析結果が綴られる。

その上で「この成分が肌表面のpHバランスを整える」など長文の解説が続く。もちろん書いているのは一般ユーザーのため信ぴょう性には欠ける。だが手の込みようは凄まじい。

ほかにも、化粧品などを本当に使い終わったことを示す証拠として、空になったケースの写真を投稿しレビューを書く「空瓶日記」という形式の投稿も人気だ。

一般ユーザーの投稿に、なぜここまで求めるのか。「今や情報を得る方法が大量にありますから。誰も嘘を信じませんよ」とモニカさん。ユーザー約3億人の小紅書で抜きん出た存在になるためには、それ相応の努力が必要ということもあるだろう。

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最終更新:1/17(金) 7:51
ハフポスト日本版

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