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身近に潜む危険 “命を奪う溝” 全国で相次ぐ「用水路転落事故」 ハード対策には膨大な費用が…「実態」の把握を

1/17(金) 20:27配信

NBS長野放送

■全国で用水路事故相次ぐ...過去5年間で345人

 身近に潜む危険「用水路の転落事故」です。用水路で溺れて死亡、または行方不明になった人数は、おととしは66人、過去5年間で345人にのぼります。ただ、これは「水難事故」の数字で、自転車で転落した場合は「交通事故」として処理されることもあるため、実態は「この数字を大きく上回る」とみられます。県内でも先月、安曇野市で85歳の女性が、長野市でも今月4日、73歳の男性が自転車と共に用水路に転落し死亡しました。長野県内の用水路事故の実態と対策はどうなのか取材しました。

■今月、長野市の用水路で73歳の男性が死亡

 今月4日の朝、長野市北長池の用水路で近くに住む73歳の男性が死亡しました。自転車も近くに落ちていて、警察は男性が誤って転落したとみています。

(記者リポート)
「事故現場となった用水路には、このように道路との境になるような柵などはありません」

住民:
「自転車でここを通ることがあるんだけど、夜は絶対通らない、危ないし」

 用水路事故の実態に詳しい長岡技術科学大学大学院の斎藤秀俊教授に、現場の映像を見てもらうと...。

斎藤秀俊教授:
「一言で言えば、危険なところ。どこからが道路でどこからが用水路なのかわからない状態で走っていた可能性はもちろんある」

■先月、安曇野市の用水路でも85歳女性が…

 用水路事故はほかにも...。

(記者リポート)
「安曇野市のこちらの水路でも先月、自転車に乗っていた高齢の女性が転落する事故がありました」

 先月6日、安曇野市三郷の用水路でも、近くに住む85歳の女性が、意識不明の状態で見つかり、その後、死亡しました。20メートル上流で自転車が見つかり、警察は女性が自転車とともに転落し、その後、下流に流されたとみています。自転車が見つかった場所に、柵などはありませんでした。

住民:
「よくここのところに、自転車の高齢の方が落ちたのを見たことがある。高齢の方が結構多いので(柵やふたなどが)あればいいかなとは思いますが」

■なぜ、用水路で転落事故が?

 なぜ、身近な用水路で転落事故が起きるのか...。斎藤教授は「用水路の危険性への認識が低い」と指摘します。

斎藤秀俊教授:
「(用水路が)生活の一部になっているというか、景色の一部になっている。危機感をなかなか持たないですね、落ちてから初めて、あぁ用水路があったんだと」

 また、被害者の多くは「65歳以上の高齢者」で、長野市と安曇野市の死者も「高齢者」でした。

斎藤秀俊教授:
「(高齢者の)用水路事故の場合は転倒した先にたまたま用水路があったということ(が多い)。これは高齢化社会の宿命」

 県警によりますと、自転車走行中に用水路に転落した事故は、過去10年で少なくとも8件あり、5人が死亡しています。ただこれは、「自転車走行中の交通事故」として処理された数で、車や歩行中の事故は含まれず、正確な実態は把握できていません。

斎藤秀俊教授:
「同じ用水路で起こった事故でもいろんなところに事故がばらけてしまうので、正確な値というのはよくわからない。実態としてはもっと多いはず」

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最終更新:1/20(月) 15:43
NBS長野放送

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