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ポップしなないで「贅沢な時間の使い方」聖夜に届けたプレミアム空間:レポート

1/17(金) 18:04配信

MusicVoice

 かめがい(vo&key)、かわむら(ds)の2人組“超セカイ系”ポップ・バンドのポップしなないで(略称ポしな)が2019年12月24日、東京・下北沢BASEMENTBARでワンマンライブ『ポップしなないで ONE MAN SHOW 闇鍋 』を行った。ライブはこの日会場限定でリリースされたCD「好きになったような気がしたんだ」などアンコール含め全20曲を届けた。2人による濃密な空間に酔いしれながら聖なる夜を楽しんだ。その模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

■贅沢な時間の使い方

 この日はクリスマス・イブ、師走ということもあり街ゆく人々も足早な中、下北沢の会場前には行列。かめがい自らがクリスマスカードを配るなど、開場前から静かな盛り上がりを感じさせる。ライブハウスの中に入ればライブタイトルの『闇鍋』にちなんだ、レモン餃子鍋を販売。それらを楽しみながら開演を待つ。

 フロアは多くの人で埋め尽くされていた。開演時刻を少々過ぎたところで暗転。スモークが噴き出す中、2人がステージに登場。オープニングを飾ったのは、小気味良いリリックが印象的な「ヤンキーラブ」。そして、躍動感のあるかめがいのキーボードの演奏が身体を揺らす「砂漠の惑星」でスタートダッシュは上々だと思いきや、かめがいが2番飛ばしてしまうというアクシデント。

 MCでかわむらに突っ込まれるも、かめがいは笑顔でごまかす中「エレ樫」に突入。ラップあり切ないセクションありとドラマチックな一曲で観客を煽情させ、「bedroom sound system」で軽快なかわむらのビートに乗って音に酔いしれる。

 ここで再びMCへ。実はオープニングからアクシデントがあったことを報告。予定ではかめがいのキーボードに置かれたスマホからマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が流れる予定だったが、まさかのマナーモードにしていたことで失敗していたことが明らかに。そんなケアレスミスもらしさが溢れるといった様子。

 気を取り直してかわむらは、貴重なクリスマスという時期のライブということで「贅沢な時間の使い方」と語り「夜はこれから」を届け、ミラーボールがライブハウスを照らし世界観を一転させた「Life is walking」はミディアムテンポの中で、空間を感じさせる2人のグルーヴが心地よい。2人という最小限の編成ではあるが、出てくるサウンドはもっと大きなスケールを感じさせてくれる。

 退廃的なピアノの旋律がプロローグのように紡がれ、そこから劇的な1曲「言うとおり、神さま」に突入し、グッと心を鷲掴みされるような展開。さらに4つ打ちのキックと裏で入ってくるハイハットのコンビネーションが絶妙な「Creation」は自然と身体が動いてしまう、そんな感覚を与えてくれる中、凛としたかめがいの歌声がライブハウスに響き渡る。

 2019年8月にリリースされたミニアルバム『禁じられてはいない遊び』に収録された「暗いね、ナハトムジーク」を披露しMCへ。ライブハウスで提供されている鍋がレモン餃子鍋になった経緯から、この日の終演後に行われたかわむらのチェキ会について、詳細を説明。余談だが、ライブ終了後の「最初で最後かもしれない」と話していたチェキ会は、ファンのリクエストに応えるかわむらの姿があったことを追記しておく。

■この1年間を支えてくれてありがとう

 MCに続いて、この日発売した未発表曲を収録したCD「好きになったような気がしたんだ」に収録された「大正カゲキロマン」を届けた。イントロでの迫真のかめがいの歌声がグッと楽曲の持つ世界へと引き込む、今回のセットリスト中でも異色な1曲。ラテン+ドラムンベースといった独特なグルーヴを作り出していた「ロケットダンサー」と、ポしなのより個性的な楽曲が集まったセクションだった。

 サビで印象的にリフレインする<前頭葉>のフレーズが中毒性を生み出していた「前頭葉」は、自分のことに専念しろという、ポしならしいメッセージが込められた一曲。そして「魔法使いのマキちゃん」では、幸せそうな笑顔でパフォーマンスするかめがいの姿が印象的。かわむらのビートから「救われ升」では、かめがいのキーボードもダイナミックに響き、フロアからも腕を突き上げ、2人の紡ぎ出すサウンドに応える。何も煽らなくても自然発生するクラップ、この心躍らせる感覚は、ライブならではの臨場感をより高めていた。

 ライブもラストスパートへ。ミステリアスな雰囲気を醸し出した「丑三キャットウォーク」に突入。エンディングでのかめがいによる荒々しさを感じさせるスキャットが情熱的な夜を演出し、不思議な言葉の組み合わせのタイトルが印象的な「おやすみシューゲイザー」、ショートMCを挟みラストは、しっとりとした歌の導入から水しぶきが飛び散る情景を想起させた「2人のサマー」。季節外れの夏ソングを届け本編を終了した。

 観客からのアンコールに応え再びステージに登場した2人は、3月27日に企画ライブを行うことを発表。かわむらは「この1年間を支えてくれてありがとう」と集まった観客に感謝し、この日会場限定でリリースした「好きになったような気がしたんだ」を披露。イントロでの美しいピアノの旋律、ノスタルジックにさせてくれる歌詞、ポしなの魅力が詰まった1曲だった。そして間髪入れずラストは1stEPに収録された「コトリズム」を演奏し『闇鍋』の幕は閉じた。

 音楽を愛する2人のマインドが、ステージからフロアへ淀みなく届けられたステージ。全体を通してインプロビゼーションのような自由さを感じさせるスリリングな演奏は、我々をポしなの世界へといざなってくれた。2020年、何かやってくれるに違いない雰囲気を終始放っていたプレミアムな一夜だった。

■セットリスト

『ポップしなないで ONE MAN SHOW 闇鍋 』
2019.12.24@下北沢BASEMENT BAR

01.ヤンキーラブ
02.砂漠の惑星
03.エレ樫
04.bedroom sound system
05.夜はこれから
06.Life is walking
07.言うとおり、神さま
08.Creation
09.暗いね、ナハトムジーク
10.大正カゲキロマン
11.フルーツサンドとポテサラ
12.ロケットダンサー
13.前頭葉
14.魔法使いのマキちゃん
15.救われ升
16.丑三キャットウォーク
17.おやすみシューゲイザー
18.2人のサマー

ENCORE

En1.好きになったような気がしたんだ
En2.コトリズム

最終更新:1/17(金) 18:04
MusicVoice

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