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生保の対外証券投資にブレーキも、円安進行で想定レンジの下限

1/17(金) 11:04配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 国内生保にとって対外証券投資の妙味が一段と薄まりつつある。世界的な金利低下や高い為替ヘッジコストに加えて、各社の想定レンジ下限付近まで円安が進行しており為替差損リスクも意識せざるを得ないためだ。

富国生命の小野寺勇介財務企画部長は、「外債投資の場合、為替と金利のかけ算になるが、1ドル=110円台だった2018年頃の米国債の利回りは3%に近く、その意味では今の1.8%のイールドでの110円というのに割安感はない」と語る。

円相場は今週、米中関係の改善期待を背景に対ドルで一時約8カ月ぶり安値となる110円29銭まで下落。大手生保が想定する今年度下期のレンジ下限は110ー115円で、今後、円相場が上昇に転じるリスクがあると考えた場合、為替ヘッジを付けないオープンでの外債投資はやりにくくなる。一方、コストを払って円高リスクをヘッジすれば、そもそも利回り水準が低いため、米国債投資で得られる利回りは消えてしまう。

財務省のデータによると、生保は昨年12月に対外証券(株式・投資ファンド持ち分と中長期債)を2カ月連続で売り越し、金額は3507億円と15年3月以降で最大となった。夏場に104円台まで上昇していた円相場は、12月には109円後半まで下落した。

米資産運用会社アライアンス・バーンスタインの駱正彦債券運用調査部長は、「米長期金利が2%を超えれば買うかもしれないが、今なら特段魅力的でもない」と指摘したうえで、110円辺りであれば、日本の投資家は外債投資に関して「様子見する」とみる。

一方、為替市場のボラティリティーは過去最低水準に低下。今後、円相場が安定的に推移するなら、為替リスクをヘッジする必要はなく、米国債投資で1.8%程度の利回りを得ることができる。

三井住友DSアセットマネジメントグローバル戦略運用第二部の国部真二共同部長は、英国の欧州連合(EU)離脱や米中貿易戦争などの「明確なリスク要因がいったん消えて、投資環境としては非常に良い」と指摘。ドル・円相場については「あまり下(円高方向)を気にする地合いではない」とし、投資家は外債を「フルヘッジより一部オープンで持ちながら、キャリー(金利収益)を享受していくのではないか」と予想する。

(c)2020 Bloomberg L.P.

Masaki Kondo, Chikako Mogi, Hiroko Komiya

最終更新:1/17(金) 11:04
Bloomberg

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