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“対立”は当たり前 ~ 型破り校長の改革論(2)

1/18(土) 17:50配信

ニッポン放送

千代田区立麹町中学校・工藤勇一校長 × 大橋未歩 対談インタビュー
<第2回>
2014年から千代田区麹町中学校の校長を務める工藤勇一氏。宿題、定期テスト、固定担任制の廃止など、異例の改革を次々と行う手腕には多くのメディアが注目し、麴町中学には文部科学省など全国の教育関係者が視察に訪れる。その大胆な改革の根底にある子育て論についてまとめた『麴町中学校の型破り校長 非常識な教え』(SB新書)を著した工藤校長に、フリーアナウンサー・大橋未歩がインタビュー。ニッポン放送「大橋未歩 金曜ブラボー」(2019年12月20日放送分)での対談の再録として、全4回にわたりお届けしている。

著書のなかで「対立は当たり前」と述べている工藤校長。第2回の今回は、その理念について訊いていく。

【工藤 勇一 氏 プロフィール】
1960年、山形県鶴岡市生まれ。東京理科大学理学部を卒業後、山形県と東京都の公立中学校で教員。その後、東京都や目黒区、新宿区で教育委員会に勤め、2014年から千代田区立麴町中学校の校長に就任。麴町中学では宿題の廃止、定期テストの廃止、固定担任制度の廃止など異例の改革を実行。その日常識とも言える改革は多くのメディアで取り上げられ、麴町中学には文部科学省など全国の教育関係者が視察に訪れるようになった。

■“協調”や“思いやり”が勝ち過ぎている

(※以下、「――――」部分はインタビュアー・大橋のコメント)

―――― 先生の著書のなかで印象的だったのが、「対立は当たり前」というお話です。対立を恐れている「事なかれ主義」の人がとても多いな、と社会に出て感じたところがあります。なぜ対立は当たり前なのか、どう教育しているのかを教えていただけますか?

工藤:なぜ対立が当たり前なのかということについては、それは世界に行ったらごく普通のことです。文化も、価値観も、宗教も、正しいと思われる常識も、みんな違っています。そんな人たちが一緒に生活して何かを決定すれば、当然合わないことはたくさんありますよね。海外の方だったら、対立は当たり前だと普通に言っていることだと思います。当然、対立が起こると人間はイライラすることを知っているだろうし、イライラをコントロールしなければいけません。どうやって解決するのかと言った場合に、対立が起こっても、みんながOKと言った1つ上の目標では合意できるということです。

例えば、AとBという国が長い間戦争をしてきて、憎しみ合っている文化があるとしましょう。でも、ヨーロッパの方々だったら2000年も3000年も戦争をし続けてきて、これ以上科学技術が進んだら人類は終わってしまうかもしれない。恨み辛みを目の前に置くよりも、それよりも上の平和のために握手をしましょう、という形になるかもしれません。つまり、対立が起こるのは当たり前だけれど、対話をしていけば両方がOKという対話はできるはず、という民主的考え方です。この訓練ができているわけです。日本はなぜそれが上手くいかないかというと、よい行動を行うためには心が大事だ、という心の教育にあまりにもこだわりすぎているのです。それは大事なことなのですが、よい行動を行うことが目的なのだとすれば、そのために心の教育が大事だというのは手段ですよね。なのに、協調や思いやりが勝ち過ぎてしまっています。

―――― 「みんな仲良く」とクラスでは言われますよね。

工藤:そうすると、意見が違うことは「空気が読めない」ということになります。「空気が読めない」ということは、たぶん日本的な言葉ですよね。海外だったら、きっと普通のことだと思うのです。

―――― 同調圧力ですね。

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最終更新:1/20(月) 20:35
ニッポン放送

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