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「マディソン郡の見えない風景」Winterset, Iowa

1/19(日) 11:29配信

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

町に到着してすぐ早めの夕食に向かったダウンタウン。ふと、不安がよぎったことを覚えている。そのチャイニーズレストラン前に停まっていた車は、リアウィンドウまでびっしりと埃に覆われて、かなりアウトローな雰囲気を出していた。自分が運転するのはピカピカのレンタカー。並べて駐車することに抵抗を感じたのだ。だけど、まさか自分の車も同じようになるなんて、そのときは想像もしていなかった…。

香港オープンを盛り上げたインフルエンサー

(これは取材で世界を旅するゴルフ記者の道中記である)

アイオワ州ウィンターセットは人口5000人ほどの小さな町で、映画「マディソン郡の橋」(1995年)の舞台として有名になった。映画は、屋根付橋(カバードブリッジ)の撮影に来た写真家と、地元の平凡な主婦が出会って恋に落ちるという物語。2人で過ごした時間は4日間だけだったが、一緒に町を出ようという写真家の誘いを、主婦は涙を流して拒絶する。一緒に行くと、残した家族のことばかり考えて、この愛は消えてしまう。それよりも、ここに残って生涯この愛を支えに生きていきたい…という、めっちゃロマンチックなストーリーだ。

ウィンターセットには、いまも6つの屋根付橋が現存している。着いた夜に宿で映画を見返して準備万端。翌朝からさっそく探訪を開始した。

最初に向かったのは、宿からもっとも近いシダーブリッジ。着くと、そこにはすでに先客がいた。橋を丹念に検分している老夫婦と、川に小石を投げている女の子。娘というよりは、孫だろうか。日本から来たというと、その老夫婦は「グレース、一緒に写真を撮りなさい」と、女の子に声を掛けた。橋の上からつまらなそうに石を投げていた少女だったが、目があうとにっこりと微笑んで素直に写真に収まってくれた。

地図を頼りに巡ったが、幹線道路を外れると、道はすぐ砂利に変わった。巨大なトラクターが砂塵を上げて疾走している。バックミラーを見ると、当然自分の車も、もうもうたる砂煙を巻き上げていた。きのうの薄汚れた車を思い出した。そうか、これは日常なのだ。

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