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アジアからの農業技能実習生 派遣積極的も帰国後に課題 JICA調査

1/19(日) 7:08配信

日本農業新聞

 国際協力機構(JICA)は、フィリピンなど東南アジア諸国連合(ASEAN)6カ国の農業分野の技能実習生を中心に現地調査を行い、中間報告を発表した。各国とも技能実習生を含む海外への人材派遣に積極的だが、日本語の学習体制が弱く、帰国後の就農率が低いなどの課題を明らかにした。調査は11月まで続く。

 報告によると、各国は海外人材派遣を管轄する省庁と農業分野の省庁との連携が十分でないのが実態だ。

 フィリピンの場合、海外労働者派遣は、国策として重視し、労働雇用省が管轄する。だが農業省との連携は見られない。ミャンマー、カンボジアでも、労働関係省庁が海外労働者派遣を管轄し、事前研修などを含め、農業省はほとんど関与していない。

 インドネシアでは、労働省の認可を得て、農業省が公的派遣機関として毎年約45人を日本に派遣する。他国と違い、技能実習生を労働者派遣ではなく、人材育成者として捉えていることが背景にある。

 海外労働者派遣に関しては、ほとんどの国で認定団体が存在し、成熟度によって支援活動が異なっている。ラオスには認定派遣機関が17社あり、技能実習生候補の選定や候補者の事前研修をしている。実習生は、22万~33万円の費用を負担する。

 ベトナムには340社の認定派遣機関があり、日本の受け入れ先が内定してから日本語などの教育を始める。一部では、一定の語学能力が付いてから受け入れ先との面接に臨むケースもある。実習生は約40万円の費用を負担する。

 インドネシアでは農業省が技能実習生を派遣する場合、「農地を持つ」「帰国後営農の意思がある」ことなどが選抜条件となっている。一般的な実習費用は、20万~30万円かかるが、農業省の補助金があり、民間より安くなる。

 日本に派遣される技能実習生の学歴を見ると、高校卒業者が多く、大学や農業高専レベルでも希望者がいる。インドネシアの場合、農業高校や普通高校からの派遣が一般的だ。ラオスでは大学農学部から複数の技能実習生を派遣、ベトナムでは農業・農村開発省の指示で国立農業大学からの派遣を促している。

「単純作業が多い」「地元と技術合わず」

 帰国後の技能実習生の現状を見ると、就農率が低く、他業種での就労が一般的だ。「日本での実習中に単純作業が多く、帰国後に活用できる技術を学べない」「日本で技術を学んでも現地の農業との乖離(かいり)で活用できない」などが理由に挙げられる。

 調査は、インドネシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーの6カ国の技能実習生を対象に、2019年10~12月、聞き取りで進めた。

日本農業新聞

最終更新:1/19(日) 7:08
日本農業新聞

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