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目立たない、でも研究に役立つ渦巻銀河「NGC 3749」

1/19(日) 20:55配信

sorae 宇宙へのポータルサイト

天文学者は銀河やそこに含まれている物質について調べる際、さまざまな技術やツールを使います。そのうちの1つが、銀河の光を「スペクトル」に分解してその性質を調べるというものです。ガラスでできたプリズムに光が入ると7色に分かれて虹のように見えるという現象を見たことがある人も多いと思いますが、それと同じような仕組みです。天文学者はスペクトルの中から特に「輝線」と「吸収線」に注目することで、銀河で何が起こっているのかを探っていきます。輝線は銀河に含まれる物質から放射される光による線、吸収線は文字通り物質が光を吸収することにより「周りより暗い」ことが見える線です。

ある銀河について多くの吸収線があり輝線がほとんどない場合は、星が生まれるための材料はなくなってきており年老いた古い星が多いことを示します。逆に輝線が多い場合は、星が次々と生まれている可能性を示しています。このような観測技術を「分光学」や「分光法」などと呼びます。天文学というと銀河などの美しい天体画像がやはり目を引きますし、画像をよく見て特徴を捉えることも重要です。しかし、スペクトルから得られる情報は数多く、どのような物質が存在しているか、ガスの密度や温度はどのくらいか、星がどの程度生まれているか、さらには銀河中心に存在するブラックホールがどのくらい重い可能性があるのかまで調べることができます。

画像は「NGC 3749」という銀河で、約1憶3500万光年先に位置しています。強い輝線を示す銀河でやや明るいもののあまり激しい活動は見られず、穏やかな銀河と言えるかもしれません。銀河の中にはその中心に「活動銀河核」と呼ばれる非常に明るく強い放射を出すものがあります。そうしたものに比べるとNGC 3749は目立つものではありませんが、明るい銀河を研究する際の「対照群」として役立っています。

北越康敬

最終更新:1/19(日) 20:55
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