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配達などのプラットフォーム労働者の稼ぎ「月約14万円」

1/19(日) 13:55配信

ハンギョレ新聞

「自由な勤務形態」を標榜するが、事実上専業労働者 家事ヘルパー、貨物運送、運転代行など 40歳以上は世帯全体がプラットフォーム労働に依存 仕事拒否すればプラットフォームから「不利益」被る 無限競争で労働単価も下落 専門家「最低報酬規定を作り、 待ち時間も労働時間と認めるなど法制化必要」

 「プラットフォームで仕事を得るのは本当に最後の手段です。人脈も何もない人たちが、それでも仕事を得られるところだから」(フリーランサーAさん)

 「コールが表示されたとしましょう。ちょっと目を離した隙に(他のライダーが回答して)0.5秒の間に消えます。本当に0.5秒で消えます」(配達労働者Bさん)

 「(プラットフォームを通じた労働の)何が問題かというと、単価が下がり続けていること。私の見るところメチャクチャな金額なんですが、それを引き受ける人たちがいるんです。だから荷主たちが単価をどんどん落としてアップするんです」(貨物運送労働者Cさん)

 配達、運転代行、家事労働など、様々な分野で「プラットフォーム」労働が日常となっている中、プラットフォーム労働者たちの1日の平均労働時間は8.22時間、月平均所得は152万ウォン(約14万4000円)という調査結果が出た。プラットフォーム労働者は特定の会社に所属せず、携帯電話のアプリケーション(プラットフォーム)を通じて仕事を得て、給与の形ではなく1回限りの仕事に対する報酬を受け取る。

 15日に国家人権委員会(人権委)が公開した「プラットフォーム労働従事者の人権状況実態調査」の結果によると、調査に応じたプラットフォーム労働者の64%が他の職業を持たずプラットフォーム労働のみを行っており、月平均所得は約152万ウォンと回答した。プラットフォーム労働は「自由な勤務形態」を標榜しており、「副業」程度と認識されているが、事実上、多くのプラットフォーム労働者が「専業」労働者ということになる。今回の実態調査は社団法人チャムセサンが人権委の依頼を受け、運転代行や家事労働などのプラットフォーム労働者821人を対象に、昨年8月から3カ月間にわたるアンケートと深層面接調査をもとに実施した。

 さらにプラットフォーム労働者たちは、プラットフォーム労働で稼ぐ所得が全個人所得の4分の3ほどを占め、他の仕事を兼業していても他の仕事ではあまり稼げず、プラットフォーム労働でほとんどの所得を得ていた。特に平均年齢が40歳を超える家事ヘルパー(55.4歳)、運転代行(50.3歳)、貨物運送(45.9歳)分野の労働者は世帯総所得のうちプラットフォーム労働による所得が約80~90%を占めることが明らかとなった。

 問題は、生計の「最後の手段」であるプラットフォーム労働が活性化すればするほど、労働市場全般が不安定にならざるをえないというところにある。プラットフォームで特定の業務を行う人を簡単に安く求めることができれば、企業としてはあえて安定的な雇用を保障する理由がない。プラットフォームによって労働者間の無限競争が激化するということは広く知られている。呼び出し型プラットフォームでは、仕事が入ったことを示す通知がアプリを通じて複数の労働者に同時多発的に表示され、それを最も早くタップする人に仕事が回ってくる。実態調査に応じた配達労働者Bさんは「コールが表示されて、ちょっと目を離した隙に、0.5秒の間に他の人がかっさらっていってしまってコールが消える」と語った。運転代行のDさんも、「(アプリに)近くにいる人(同僚の運転代行運転手)が表示されるようになっているが、だからこそ連帯感ではなく恐怖を感じる。この人たちの間で私がコールを取らなければならないんだな、という恐怖」と打ち明けた。

 競争は必然的に労働の単価を下げる。プラットフォーム労働が殺到している領域では単価下落が加速している。貨物運送労働者のCさんは「私の見るところメチャクチャな金額だが、それを引き受ける人たちがいる。だから荷主たちが単価をどんどん落としてアップする」と言う。プラットホームを通じて宅配の仕事をしている労働者Eさんも「最初は単価が高かったのでやる価値があったが、最近は下がりすぎて金にならない。ほかの仕事を探している」と述べる。

 実態調査では、「自由な勤務」というプラットフォーム労働の長所すらもうわべだけだったことが明らかになった。回答者たちはプラットフォーム労働をする理由について、2人に1人が「働く時間を自由に選ぶことができるから」と答えたが、勤務は週平均5.2日、1日平均8.22時間に及ぶことが明らかとなり、事実上「フルタイム労働」だった。そのうえ仕事を頻繁に拒否すればプラットフォーム会社から不利益を被る可能性があるかという質問には「運転代行」で90%が、「プラットフォーム宅配」で80%が「ある」と答えた。

 さらに、プラットフォームは労働者を直接統制できない代わりに、働く過程をデータとして蓄積して間接的に統制する。統制は利用者の評価に基づくものの、仕事の受け入れや拒否などを含むアルゴリズムにより行われる。このような評価は呼び出し制限、席配置上の不利益などの事後的な制裁につながることもある。労働者たちもこの事実をよく知っている。「プラットフォームが技術的に不利益を与えることができるかどうか知っているか」との質問では、53.2%の回答者が知っていると答えた。家事労動プラットフォーム労働者のFさんは「時間当たり1万ウォンだと聞いていたけど、入ってくる金額が3万9千いくらというふうに毎回少しずつ変わっている」とし、「どうして削られたのか聞いたら、客の評価が悪いからだという。客が『星』を付けるのは知っているが、いくつ付けたかは私には分からない」と語った。

 この日、ソウル中区(チュング)の人権委で開かれた「プラットフォーム労働従事者人権状況政策討論会」では、法制化によってプラットフォーム労働者を保護する制度的装置を早急に設けるべきだという指摘がなされた。発題を担当したソウル大学雇用福祉法センターのユン・エリム研究委員は、「プラットフォーム労働者の報酬に関しても、労働基準法上で通貨支給、直接支給、全額支給、定期日支給の原則を確立し、個々の業務別に決まっているプラットフォーム労働者の報酬に最低基準規定を設けるべきだ」と指摘した。ユン研究委員はまた、「英国の高等裁判所がウーバーの運転手の労働時間について、特定乗客の運送業務を受諾した時点ではなく、運転手がウーバーにログインした時点から始まると判断したように、プラットフォーム労働者が業務受け入れのために待機する時間も労働時間として取り込む法制の導入が必要だ」と付け加えた。
カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:1/20(月) 8:01
ハンギョレ新聞

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