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アメリカはなぜ中国の「為替操作国認定」を解除したのか。貿易交渉合意の“ご褒美”のその先に……

1/20(月) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

米財務省が1月13日に発表した「為替政策報告書」が金融市場で話題を呼んでいる。2019年8月に決定された、中国に対する為替操作国認定が解除されたことがその理由だ。

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まず、事情に詳しくない読者のために、「為替操作国認定」や「監視リスト」といった仕組みについて若干説明が必要かもしれない。

米財務省は半期に1度(基本的には4月と10月)に為替政策報告書を公表する。読んで字のごとく、貿易相手国の為替政策を分析し、評価した上でアメリカ(および相手国)の採るべき為替政策のあり方を記した報告書だ。

同報告書は2016年4月以降、貿易収支・経常収支・為替介入と3つある評価軸のうち、2つで基準に抵触すれば「監視リスト」入り(つまり操作国認定にリーチがかかる)、3つ抵触すれば操作国認定というルールを設定している。

認定された場合は、関税・非関税上の制裁措置が検討されることになっていて、中国は2019年8月に操作国認定されて相場をにぎわしたものの、このたび晴れて解除に至ったという話である。

ちなみに、操作国認定にリーチがかかる監視リストの対象国は10カ国に達している。うち1カ国は、操作国認定を解除されて監視リスト対象国へ移行した中国だ(図表1)。

2016年4月、オバマ前政権が監視リストを導入した当時、監視対象国は現在の半分の5カ国(中国、日本、韓国、台湾、ドイツ)しかなかった。それが4年弱で倍になった事実は、(基準に抵触する大きな)対米貿易黒字を抱える国が増えたことを意味すると考えていい。

例えば、2016年4月の為替政策報告書では、基準値となる200億ドル以上の対米貿易黒字を抱えていたのは7カ国(中国、ドイツ、日本、メキシコ、韓国、イタリア、インド)しかなかったが、最新の報告書では12カ国に増えている。

この数字をみると、ドル高局面の継続がこうした不公平な状況を生み出しているという、米財務省の主張は完全に間違いとは言いがたい。

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最終更新:1/20(月) 17:01
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