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<北朝鮮内部>デマ? 流言? 「まもなく制裁解除」と根拠なき噂が拡散 金政権は危険視して警戒

1/20(月) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

◆中ロの制裁緩和要求で火が付く

新年になって、北朝鮮内部で国連安保理の経済制裁が近々解除されるらしいという噂が拡がっている。咸鏡北道(ハムギョンブクド)の取材協力者が1月中旬に伝えてきた。

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国内で拡がる「制裁解除説」について、この協力者は、平壌から出張で来た貿易会社員に、見解を求めたところ、次のように答えたという。

「平壌では、近いうちに制裁が解かれると言う人が多い。中国の習近平主席とロシアのプーチン大統領がトランプに対北経済制裁解除を強く要求しており、米国も我が国の核放棄をこれ以上期待できないと判断しているので、近いうちに制裁が解かれるというのだ」

また、平壌に本社を置く銀坡山(ウンパサン)貿易会社の咸鏡北道駐在の幹部は、協力者の質問に次のように答えた。

「国際社会は米国の独断と横暴に反発があり、我が国に対する制裁にも積極的に同調しない雰囲気だ。国家機関による密輸も、中国が黙認してより活発に行われるのではないか、そのためか、中央が各貿易会社に求める『課題』(上納金)も、今年は制裁解除を見込んで、昨年より20%ほど増えるらしいと囁かれている」。

◆トランプ弾劾で制裁緩和?
しかし、現時点で、制裁が解除に向かう見通しはまったく立っていない。北朝鮮国内では、貿易の極度の不振と市場の不況のため、制裁解除を渇望する空気が満ちている。中ロが昨年末に安保理に制裁緩和決議案を提出したというニュースと、米国内のトランプ大統領弾劾の動きに関するニュースが北朝鮮国内でも知られるようになって、根拠なき噂が膨らんでいると見られる。

「厳しい制裁を長く受けているため、今も平壌の貿易会社は右往左往している。中国が緩和に動くなら国境地帯の貿易や密輸に、まず変化があるはずだが、中国側には何の変化も見られない」
取材協力者はこのように述べた。

北朝鮮国内では、昨年2月のハノイでの朝米首脳会談の際に制裁緩和への期待が膨らんだものの、協議物別れで失望が充満した。また、昨年11月頃から、米国内のトランプ弾劾の動きが伝わると、「トランプ退陣で制裁解除」という噂が駆け巡った。経済不振の批判の矛先が政権に向くのを恐れたのか、当局は度々「過度な期待」が拡がらないよう、流言の統制に乗り出していた。

実際、経済沈滞が長期化しても打開の糸口見いだせない金正恩政権に対する不満の声が高まっている。昨年末、平壌から中国に出国してきた貿易商は、「国民に負担と『自力更生』ばかりを要求する政府を評価する人がどこにいるというのか。すべての貿易機関は、祈るような気持ちで制裁が緩むのを待っている」と述べ、いら立ちを隠さなかった。(カン・ジウォン)

最終更新:1/20(月) 5:10
アジアプレス・ネットワーク

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