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酪農・乳業界のグローバル化へ生産基盤強化が課題

1/20(月) 20:01配信

日本食糧新聞

2020年の酪農・乳業界は、市場のグローバル化の進展を念頭に置いたさまざまな施策が進む年となりそうだ。生乳生産は4年ぶり増産の予想が示されているが、北海道と都府県の構造的なギャップは依然として大きく、最需要期の生乳移出は限界に近づいている。

生乳は4年ぶり増産予想

都府県生乳生産基盤の強化は今や喫緊の課題として業界全体に大きくのしかかり、政府や各団体をはじめ、解決に向けた多くの施策が投じられてきている。牛乳・乳製品の需要も総じて堅調だ。

一方、今年は1月に日米貿易協定が発効し、国際化の波は今後ますます押し寄せてくる。外部環境が大きく変化する中、国内酪農・乳業の土台となるのはやはり生乳生産基盤の堅実な強化であり、それを支える人の育成や、競争力の高い製品開発が両輪となって進められなくてはならない。新たなステージを迎えつつある酪農・乳業界の動向が注目される。

生乳は毎日生産され、腐敗しやすく貯蔵性がない液体であることから、需要に応じて飲用向けと乳製品向けの仕向けを調整することが不可欠だ。2019年度の直近(2019年4~10月)までの生乳生産量をみると、北海道の堅調に下支えされ、前年比プラスで推移してきた。

酪農乳業団体のJミルクが昨年10月に示した需給見通しでも、2019年度は全国で前年比0.5%増の731万8000トンの生産量が予想され、4年ぶりの増産が予想される。しかし、内訳でみると都府県の生産量は前年に引き続き減少傾向にあり、猛暑や台風被害の影響があったにせよ、歯止めがかからない状況にある。生産基盤の強化は喫緊の課題だ。

上記期間の用途別には、牛乳等向けは0.3%減の240万トン、乳製品向けは1.5%増の187万トンとなっている。飲用では、成分無調整牛乳が2015年度以降プラスに転じているが、最需要期の9~10月の学校給食用牛乳は北海道からの移出に頼らざるを得ない構造的な「綱渡り状態」があり、近年は物流面でのドライバー不足や天候要因なども拍車をかけている。

乳製品では、バター需要は相変わらず旺盛だが、最近の発酵乳市場の踊り場感もあり、脱脂粉乳はメーカーでも十分な在庫状況にある。乳製品の1人当たり消費量は食生活の多様化により、特にチーズ、生クリームなどが拡大しているが、チーズは国内生産が横ばいで推移していることから、輸入量が増加傾向で推移している。

Jミルクは、生乳流通の安定と、牛乳乳製品の価値向上を達成するための重点事業を推進しており、昨年秋には酪農・乳業が力強く成長し、信頼される持続可能な産業を目指す将来ビジョンを提言した。牛乳乳製品の国内需給の向上、次世代酪農家が安心して意欲的に酪農経営を発展させてほしいというメッセージを込め、業界自らの2030年度目標を最大で800万トンに設定している。

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最終更新:1/20(月) 20:01
日本食糧新聞

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