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酪農・乳業界のグローバル化へ生産基盤強化が課題

1/20(月) 20:01配信

日本食糧新聞

後継者不足解消へ多様な酪農経営を後押し

酪農家の経営状況を見ると、近年は生産コスト面は安定的に推移し、所得水準も上昇してきたものの、人手不足の状況は逼迫(ひっぱく)していることや、コストの2分の1にあたる飼料代などの不安定要因は引き続き根強い。

乳用牛の飼養戸数は年率4%程度、頭数は2%程度の減少傾向で推移してきたが、2018年に16年ぶりに増加に転じ、2019年も前年比0.3%増と2年連続で増加が見込まれる。政府は2014年度補正予算から性判別精液の活用など後継牛確保の取組みを推進し、今年度も継続して進めている。利用割合も増加傾向にあり、粗飼料の豊富な地域への預託育成と合わせて生産回復への取組みが行われている。

そうした中でも、特に来年度に向けて重点課題とされているのが、後継者と新規就農者の確保だ。農林水産省は2019年度補正予算で、家族経営の施設整備による経営資源の継承、後継者不在の家族経営の経営資源の継承推進などを盛り込んでいる。

規模の大小に関わらない支援の方針も打ち出しており、全国で画一的だった条件を緩和し、中小家族経営をこれまで以上に支援するために、「畜産クラスター事業」の規模拡大要件の緩和などを推進していく。

中央酪農会議は、2020年度事業計画に当たり、都府県の家族経営型酪農を中心とした生乳生産基盤の回復を急務の課題として設定。酪農家が誇りややりがいを持てる産業として確立していけるよう、指定団体の組織機能強化や流通対策、需給安定化と基盤強化、酪農理解醸成などを重点項目として実施していく。

Jミルクは、乳業からの財源で5年間継続実施となった「酪農乳業産業基盤強化特別対策事業」について、「牛から人へ」焦点を移した内容に組み替え、取組みを強化していく方針だ。

酪農経営での労働時間は、他の畜種や製造業と比べて長い状況にある。労働時間の削減に向け、飼養方式の改善や機械化・外部化への取組みも進む。搾乳や給餌作業の負担を軽減する機械装置の導入や、育成に関わる労働負担を軽減するための預託や酪農ヘルパー活用、つなぎ買いからフリーストールへの変更・放牧など飼養管理方式の改善など、省力化推進は今後も重点的に取り組まれていく方向だ。

災害対策への取組みも進む。2018年は北海道胆振東部地震による全道停電(ブラックアウト)があったが、2019年も台風15号など自然災害による影響で、生乳廃棄など多くの問題が発生した。非常用電源の設置など支援は充実してきているが、ミルクサプライチェーンの稼働維持に向けた取組みは今後ますます重要視されていくと予想される。

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最終更新:1/20(月) 20:01
日本食糧新聞

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