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酪農・乳業界のグローバル化へ生産基盤強化が課題

1/20(月) 20:01配信

日本食糧新聞

国際競争力強化へSDGsにも取組み

政府は2019年12月、安倍晋三首相を本部長とする環太平洋経済連携協定(TPP)等総合対策本部を開き、「TPP等関連政策大綱」を改定。これに伴い中小・家族経営や条件の不利な土地も含め、規模の大小を問わずに意欲的な農家を支援する方針を打ち出した。

相次いで発効した大型経済連携協定で、酪農・乳業市場のグローバル化は今後ますます進展する。生産基盤と競争力の強化、それらを支える経営の安定化はいっそう重要な課題となっている。

同大綱改定では、酪農経営の増頭・増産などによる生産基盤の強化を明示。スマート農業の利用促進や輸出拡大に向けた環境整備などへの注力の方針を示している。

1月1日に発効した日米貿易協定では、脱脂粉乳・バターで新たな枠を設けず、チーズ・ホエーに関してもTPP枠と同様となった。しかし、長期的な関税削減の影響は大きいと見られ、国産チーズの強化とともに、ヨーロッパやアジア圏への輸出を視野に入れた施設整備などに本腰を入れる形だ。

国産ナチュラルチーズなどの競争力強化では、酪農家によるチーズ向け原料乳の高品質化・コスト低減、チーズ工房などによる生産性向上と技術研修、国際コンテストへの参加などの品質向上・ブランド化といった取組みを進め、需要拡大に向けた積極策が進められる。

農林水産省は2019年度補正予算で、関税撤廃などのチャンスを最大限に生かし、かつ影響が懸念される品目についての体質強化に乗り出し、戦略的プロモーション、商談サポートの強化、海外販路開拓などを幅広く展開。海外での需要拡大・商流構築に向けて実需者との取組みを進めていく。

また、国際化の進展と並行して、環境問題やアニマル・ウェルフェアなどの課題、SDGsへの取組みも求められる。Jミルクは、国内酪農乳業における取組みの手順として、酪農乳業が実際に経済・社会・環境・栄養などの視点でどのような持続可能な機能を持ち、役割を果たしているかの「見える化」から、着実な取組みの推進につなげ、持続可能性の強化を推進していく方向性を示している。

今年からは業界内のさまざまな取組みをSDGsの視点で評価するための調査・議論の開始年と位置づけ、サプライチェーン全体での取組み目標を設定するフェーズとし、2030年までに改善課題への本格的取組み成果を消費者に訴求していくイメージだ。同団体には、昨年4月から国際酪農連盟国内委員会(JIDF)事務局が統合され、幅広い諸課題に対する国際的な対策を世界水準に引き上げることを目指している。

※日本食糧新聞の2020年1月20日号の「酪農・乳業新春特集」から一部抜粋しました。

日本食糧新聞社

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最終更新:1/20(月) 20:01
日本食糧新聞

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