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マイヤーズ・レナードにダンカン・ロビンソン、ヒートの安定した強さを支えるのは『分業制のスターター』

1/20(月) 12:07配信

バスケット・カウント

エース格以外の選手がもたらす高確率のシュート成功率

文=神高尚 写真=Getty Images



東カンファレンス2位に上がってきたヒートは、勢いではなく安定して勝ち星を重ねていることで他のチームに差をつけています。長いシーズンではどのチームにも主力選手の好不調やケガ人により浮き沈みがあるもので、調子を落としたセブンティシクサーズやセルティックスをかわしたヒートが2位に浮上しています。ジミー・バトラーだけでなく、ケンドリック・ナンやマイヤーズ・レナードと新加入が多かったにもかかわらず、これだけの安定感が出せているのは、徹底したコンディショニングをするチーム組織の伝統的な強みと、予想外に安定したシューティングにあります。

昨シーズンは下位に沈んでいたフィールドゴール成功率ですが、今シーズンは4位、特に3ポイントシュート成功率では2位と高確率のシュートを誇っています。ただ、オフェンスシステム自体はシュート能力を押し出して軽やかに打っていく形ではなく、個人がフィジカルにファイトして果敢にリングにアタックしていく従来からの形を継続しています。

チームの得点トップ2であるバトラーとナンはまさにそんなスタイルを実践しており、積極的なドライブでペイント内を攻める分だけタフショットも多く、シュート成功率はチーム平均を下回っています。好調の要因であるシューティングをもたらしているのはエース格以外の選手たちなのです。

マイヤーズ・レナードは3ポイントシュート成功率45%とアウトサイドを得意とする一方で、オフェンスリバウンドはあまり期待できず、パワーはあるものの敏捷性にも欠けるタイプのセンターです。ブレイザーズ時代もシュート力には定評があり、昨シーズンの西カンファレンス決勝では平均17.7点を奪い活躍もみせましたが、デイミアン・リラードとCJ・マッカラムのガードコンビがアウトサイドから決めていくオフェンスでは、「シュート以外の仕事」が重要であり、レナードの価値は高くありませんでした。

しかしヒートでは、このシュート力が大いにハマっています。大事なのは、エースのバトラーがインサイドに侵入していくために欠かせないスペースを作る役割を担っていること。運動量は変わらず少ないのですが、逆に動きを制限することでスクリーナーとしても利用しながら、周囲のスペースを他の選手が動き回ります。シュート力には定評があっただけに、レナード自身のスタッツには大きな変化はないものの、主役となるバトラーとの関係性の中で高い貢献度を示しています。


あまり動かないレナードに対して、動き回るタイプのシューターとしてチーム最多の平均7.5本の3ポイントシュートを打つのが2年目のダンカン・ロビンソンで、オフボールでコートを横断する動きを繰り返しながら、ディフェンスにマークされていても関係なく打っていきながら42%を超える高確率をマークしています。シュートの85%が3ポイントと生粋のシューターとしてリーグ全体の中でも注目すべき存在になってきました。

ロビンソンの良さは高いシュート力だけでなく、「スペースを見つけて動く」能力の高さにあります。パスを受けるためにボールに向かっていく動きだけでなく、スペースがあればボールから離れる動きも織り交ぜるため、マークマンはボールが視野に入らない状況でもロビンソンに追いかけていく必要があります。この動きがバトラーなどのドライブへのヘルプディフェンスを制限することになり、インサイドでの得点を楽にしています。

動かないレナードの周囲を上手く動き回り、シュートを打たなくてもディフェンスを崩すロビンソンのコンビは、3ポイントシュートを高確率にするだけでなく、ドライブの成功率を上げることに貢献しています。

ヒートは33.5本の3ポイントシュートを打ちますが、エースのバトラーはわずかに2.7本と極めて少なく、その一方でレナードとロビンソンは3ポイントシュートばかりを打ちます。それぞれの得意分野を上手く分業できていることが安定したシューティングに繋がっています。一方でベンチから出てくるゴラン・ドラギッチやタイラー・ヒーローは3ポイントシュートもドライブも使っていく現代的なバランス型で、レナードやロビンソンよりもプレータイムが長く中核的な位置づけになっています。バトラーを生かすためにスターター起用されるレナードとロビンソン、バランス型の選手を並べるベンチ陣という構成は、選手の個性を上手く組み合わせたもの。状況に応じた選手起用がヒートの安定した成績を実現しています。

最終更新:1/20(月) 12:07
バスケット・カウント

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